第60話 斬れ味。

 振り向くと、立派な剣を持ったミチヤがいた。


『おぉ! すげぇ!』

【とりあえず1本創ってみたので、使ってみてください!】

『ありがとう!』

【それじゃ、僕はこれで……】


 そういうと、ミチヤは再びベースの奥へと戻っていった。


『ジュウザブロウさん、早速使ってきますね』

【おう、気をつけてな!】


 ジュウザブロウさんに見送られて、外へ飛び出す。試しにガードレールに剣を振り下ろしてみる。激しい金属音が鳴り響いた。切れないことはないが、これがDemiseデミスへ通じるかは不安がある。金属音を聞いて、アスカが飛んできた。


【大丈夫!?】


 アスカが心配そうに言う。ガードレールに突き立てられた剣を前に苦笑いをした。


『ごめん、びっくりさせちゃったか。もっとスパーっと切れるイメージだったんだけどなぁ……』


 遠くではジュウザブロウさんが笑っていた。ジュウザブロウさんが駆けつけた。


【すまない。いきなりそんなに派手に試すとは思わなかったから、つい笑ってしまった。ミチヤが作った武器は、そのままでは真価を発揮しないんだ】

『なにか手順が必要ってことですか……?』

【俺ので実践してやろう】


 ジュウザブロウさんは握り拳を目の前に出した。

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