第154話 自由行動と戦闘開始。

 23時20分……

 ジュウザブロウさんからの話は終わり、戦闘開始までは各自自由行動となった。俺は自分をリラックスさせるために、壁当て用の軟式野球ボールを持ってきていた。ベースから少し離れた場所で壁当てをすることにした。


『ジュウザブロウさんの雰囲気がいつもと違う原因はDemiseデミスだったか……』


 壁当てをしながら、考えていた。


『いくらジュウザブロウさんと言えども、以前の経験は心に深く傷を負わせただろう。いつも守られている分、俺が……いや、俺たちがジュウザブロウさんを守らないと……!』


 頭の中でシミュレーションしながら、時間が経つのを待っていた。


 23時50分……

 再びベースに全員が集まるとチームの発表がされた。


【既視型仏像Aがオレ、ヒカル、リオン、アスカ、オトハ、エンジ。

 既視型仏像Bがイツキ、グレン、ジン、カイユウ、ハルヒ。

 ミチヤはベースで待機だ。サポート班は、できるだけ攻撃範囲から離れつつ待機しておくこと】

『はい!』【はい!】


 2つのチームはそれぞれエンジとハルヒに案内され、予測された出現位置へと向かう。


 23時55分……

 戦いの前の緊張感。これに慣れることはあるのだろうか。物凄い重圧感が俺を襲っていた。


【……カル!……ヒカル!】

『っ!』

【ヒカル、大丈夫か? 無理するなよ】

『は、はい……。大丈夫です』


 シャルを握りしめる。守るって決めてたのに、始まる前からこれじゃ、ダメだな。気合を入れ直せ、俺。そんなに気負わなくてもいい。大丈夫。みんなが、仲間がいる。


【行くぞッ!!】


 戦いが始まった。

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