第289話 四季島ヒカル。

〈……ヒカル、落ち着いて……〉


 声が聞こえる。周りを見渡すが、誰もいない。


〈どうした? 気がれたか?〉


 デゼスプワールにも聞こえていない……?


〈落ち着くのです……ヒカル……〉


 この声を聞いていると、不思議と落ち着くことができる。何か浄化されているような、そんな感覚だ。


〈ん……? ”負の感情”が薄れている……? 貴様、何をしているんだ〉

『何もしていないさ』


 よくわからないが、謎の声に救われた。そして光が見えた。体の芯から力が溢れ出てくる。シャルを握り締め、力を込める。シャルが光り輝く。


〈……ッ!? 何者なのだ……貴様は……ッ!?〉

『何者かって? ただの大学生、四季島シキシマヒカルだよ』


 溢れ出る力を手に、俺は攻撃を仕掛けた。

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