第87話 やさしいDemise講座 7限目

【最後の1つは放燐ホウリン。これは体外へ粒子集中りゅうししゅうちゅうを行って放つ技術よ。ヒカルくんが一番最初にやってのけた技術よ。覚えてるかしら?】

『あの光の球を作り出すやつか』

【今ならもっと簡単にできるかもしれないわ】


 アスカに言われ、試してみる。あのときと同じように、両手を出す。すぐに光球が浮かび上がった。


【上手いわ。そのままの状態を保ったまま、駅の方へ投げてみて】


 俺は頷いて、光球を握ってみた。イメージが硬式の野球ボールだったからか、すごくしっくりくる。駅の方へ体を向けて構えた。呼吸を整え、光球を投げ込んだ。光球は駅前にあったベンチに当たり爆発した。ベンチとその周辺はボロボロになった。


【さすが野球をやっていただけあって、上手に投げるわね】


 拍手をしながらアスカが言った。


【今ので粒子集中については終わりよ。あとは応用して、実戦に活かすだけ】

『簡単に言うねぇ……。教えてくれてありがとうな。その3つを意識して練習してみるわ』

【期待してるわ、ヒカルくん。話は終わったし、ワタシは先に帰らせてもらうわ】


 アスカと別れ、置いておいたシャルを手に取り、近くの公園へ向かった。

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