第85話 やさしいDemise講座 5限目

『で、技術って何をするんだ?』

粒子集中りゅうししゅうちゅうの応用編ってとこかしら。粒子集中はだいぶ慣れてきたかしら?】

『あぁ、レイヤー間の移動もすんなりできるし、ミチヤに武器も作ってもらったからな』

【さすが勤勉くん】

『誰が”勤勉くん”だ。で、粒子集中の応用編ってのは?』

【粒子集中には、細かく分けると3つの技術があるの。ヒカルくんは自然とその3つを使っていると思うけど、もうちょっと意識して使ってもらおうと思うの】

『3つ?』

【1つは纏陣テンジン。これはレイヤー移動のときに体を覆うようにしている粒子集中をイメージしてもらえばわかりやすいかな】

『あぁ、あの感じか』


 すぐに纏陣をやってみる。


『こんな感じか』

【そうそう上手。これには他の使い方があって、防御に使えるの。戦っている最中は、できるだけ纏陣をして、Demiseデミスの攻撃に備えていて欲しいの】

『防御にねぇ……。なんだか頼りないけどなぁ……』


 自分の腕や胴体を見るが、どうも信じられない。


【見た目だけじゃわからないわよね。でも、バカにしないほうがいいわよ。そこいらの甲冑かっちゅうなんかよりも防御力は高いし、動きやすいし、いいことずくめなのよ】

『そこいらに甲冑なんてないけどな』


 すると、アスカはおもむろに近くの石を拾った。


【試してみましょうか】


 アスカがニヤリと笑った。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る