第114話 腹が減っては戦はできぬ。

 テレビを点け、夕方のニュース番組にチャンネルを合わせる。昨日に引き続き、ロシアの爆発事故の特集だ。原因がわかっていないレイヤー0の人たちにとっては、恐怖でしかないだろう。……いや、原因がわかっている俺たちにとっても、恐怖でしかないか。

 未だに正体不明の存在であるDemiseデミス。ジュウザブロウさんの話を聞く限りでは、襲来するDemiseを倒していけば、いつか正しい時間に戻ることができるってことだけど……。その”いつか”はいつ来るのだろうか。こちらから親玉やDemiseを生み出している機構を叩けば! ……と思ったが、そもそもそれらはどこにあるのか。存在しているかどうかすらもわかっていない。


『俺たちは防衛することしかできないのか……』


 エンジやハルヒでも掴むことはできない。経験者のジュウザブロウさんでもわからないんじゃ、手の打ちようがない。軽い絶望感が俺を襲ったが、今の俺はそんなことではくじけない。


『そんな絶望、俺が打ち砕いてやる』


 気合を入れなおし、腹ごしらえをする。


『腹が減っては戦ができないからな』


 インスタントラーメンをすすりながら、夜は更けていった。

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