第184話 ジレンマ。

 23時……

 出現場所はわからないらしい。とりあえず、ベース周辺で待機し、出現と同時にDemiseデミスの場所へと向かうしかない。時間まで、それぞれ自由に過ごすこととなった。


 本を読む人。

 寝る人。

 体を動かす人。

 話をする人。

 装備を確認する人。

 それらを観察する人。


 自分が思ってるより、みんなは落ち着いているようだ。時間は刻々と過ぎていく。


 ジュウザブロウさんの声が響いた。それに反応し、全員が集まる。


【すまないが、今日は俺が戦いに参加することはできない。だからみんな、頼むぞ。ただ、我慢できなくなったら参戦してしまうかもしれん。俺に我慢をさせてくれよ】

【任せてくださいよ。ジュウザブロウさん】

【オトハちゃん、このおっさんの介護しといてあげてや】

【誰がおっさんだ!】


 怒鳴るジュウザブロウさん。困るオトハちゃん。この永遠に続く8月の終わりを願う反面、この日常が続いて欲しいという思いもある。


【来るわよ……!】


 アスカがつぶやいた。時刻は24時になろうとしている。

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