第96話 2人の癒し系。

 男の子が見かねて、先に自己紹介を始めた。


【俺は美良島チュラジマカイユウです。医学部志望で、ここでは医療班として、みなさんのサポートしています】


 ハキハキとした自己紹介だ。


【……で、こっちの女の子が竜宮堂リュウグウドウオトハさん。医療班のリーダーです】

【ちょ、ちょっとカイくん! 何言ってるの!?】


 慌てて女の子が割って入る。


【だって、医療班はオトハさんがメインでやっていることは事実だし、リーダーって言っても過言じゃ……】


 女の子はカイユウをポカポカと叩いている。


『ははっ、仲良いんだね。俺は四季島シキシマヒカル。よろしく、カイユウ、オトハちゃん』

【よ、よろしくお願いします! 改めまして、私が竜宮堂オトハです。ここで怪我したなら、絶対に治してみせます!】


 慣れてきたのか、緊張が解けたのか、さっきと打って変わってキチンと話してくれた。


【仲良くしてやってくれよな】


 ジュウザブロウさんが笑いながら横に立っていた。


【あと来ていないのは……リオンとグレンとジンか……】


 時計を見ながらメンバーの確認をしていた。


【エンジ、ハルヒ。Demiseデミスの反応はどうだ?】

【はい、現在3体の反応を確認しています】

【詳細はわかるか?】

【えーっと……】


 エンジが集中していると、隣のハルヒがさらっと答えた。


【既視型自動車、異形型……あと人型っすね】

【……ハルヒので合っています】

【ありがとう。3体か……】


 ジュウザブロウさんはそれぞれ対処するメンバーを考えているようだった。

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