第7話 最強の魔族
昨日はフェル姉ちゃんと遊んでもらった。今日も遊んでもらおう。勉強は毎日やってるんだから、今日くらいやらなくてもいいと思う。いや、やらないべき。
でも、今日はなんだか騒がしい気がする。何かあったのかな?
部屋に行くとおじいちゃんとお母さんが何か話してた。それにお父さんが帰って来てる。
「お父さん、おかえりなさい。お土産はなに?」
「ああ、アンリ、ただいま。いい子にしてたか?」
「いい子にしてた。表彰されてもいいくらい。お土産はなに?」
お父さんは笑って頭をなでてくれた。やっぱりお父さんのなでなでは上手。フェル姉ちゃんのなでなでは残念。それがよく分かる。でも、それには騙されない。お土産を要求しよう。
「アンリ、今日は外に行っちゃだめだよ」
おじいちゃんがそんなことを言い出した。
いくらおじいちゃんとはいえ、それは横暴。アンリはワンパク。家の中にずっといるなんて病気になっちゃう。太陽の光を浴びてエネルギーを吸収しないと。
「たとえ、おじいちゃんの命令でも従えない。今日もフェル姉ちゃんと遊ぶと誓った。押し通る」
お母さんがアンリの正面に来て、首を横に振った。
「言うことを聞きなさい、アンリ。村で問題が起きていて、ちょっと危ない状況なの。今日は家にいなさい。いいわね?」
問題ってなんだろう? まだ朝早いから昨日の夜にでもなにかあったのかな?
「なにがあったの? ドラゴンでも攻めてきた? アンリがドラゴンの口から中に入って、お腹を切って出てこようか? そんな本を読んだことがある。あれはロマン。そしてアンリはドラゴンキラーの名誉を得る」
「ドラゴンじゃないわ。ほら、夜盗を覚えているでしょ? その夜盗が逃げ出したみたいで、いま兵士の皆さんが改めて討伐に行っているみたいなの。もしかしたら夜盗が村を襲って来る可能性もあるから、今日はお外に出ちゃダメよ」
そうなんだ。それは危ないかも。これは魔剣を常に持っておかないとダメかもしれない。早速装備しておかないと。
「家の中なら安心だからね。さ、朝食にしましょう」
「お母さんは甘い。夜盗がどこに潜んでいるか分からない。まずは武装しないと。木刀を持ってくる」
急いで部屋に戻って魔剣七難八苦をベッドの下から取り出した。長いから背中に背負わないといけない。
昨日はこれでフェル姉ちゃんの脛を攻撃した。痛がっていたけど、あまりダメージは無かったみたい。悶絶している所をさらに攻撃しようと思ったんだけど、フェル姉ちゃんはそんな隙を見せなかった。
アンリは理解した。痛くても倒れない。それが強くなるための第一歩。フェル姉ちゃんは身をもって教えてくれた。すごく勉強になる。
よし、いつ襲われてもいいように装備は整えた。朝食にしよう。
朝食を食べた後、背中がぞくっとした。アンリは罠にかかったのかもしれない。アンリのセンサーがこれはまずいと伝えている。
外に出れないということは家の中で勉強するしかないと言うこと。おじいちゃんが嬉しそうにしているのが怪しい。でも、甘い。今はお父さんがいる。お父さんに剣を教えてもらおう。
先手必勝。先に今日やることを言ってしまうんだ。
「お父さん、今日は剣を教えて。ありがとう」
お礼まで言ってしまうことで決定事項とする。アンリだって策略くらい使える。すでに魔剣を持って素振りも始めた。これなら誰にも止められない。
「アンリは剣の修行をしたいのかい?」
「うん。アンリは強くなりたい。その向上心は留まることを知らないぐらい」
お父さんはニコリと笑ってから、おじいちゃんの方を見た。おじいちゃんの方は苦笑いをしてから頷いた。
今日は修行の日に決まった。今日はガンガン強くなる。フェル姉ちゃんよりも強くなって部下にしないと。
「こらこら、アンリ。部屋の中で剣を振っちゃダメだよ。危ないからね」
「これは家の中で襲われた時の訓練。狭い所で戦うのを想定してる」
「なるほど、アンリは賢いな」
お父さんに褒められた。もっと褒めて欲しい。アンリは褒められると伸びる子。成長率が二倍になる気がする。
「アンリ、貴方。例えそうだとしても、危ないからやめなさい」
お母さんに怒られた。成長率が減った気がする。
「よし、それじゃ、家の中でもできる戦闘訓練をしようか。危なくないやつな」
「うん、この家のヒエラルキーはお母さんがトップ。言うことを聞かないと、食事制限されちゃう。それは愚策」
お父さんからナイフを渡された。ちゃんとした刃物は取り扱い注意。気を付けないと。
午前中、ずっとナイフを使った戦闘訓練をした。
でも、アンリの記憶に間違いがないなら、これはジャガイモの皮むきだと思う。あとニンジンも。もしかしたらアンリは騙されたのかも。お父さんもやっていたし戦闘訓練だったのかな? 今日のお昼ご飯を見て判断しよう。
「たのもー」
この声。間違いない、フェル姉ちゃんだ。遊びに来てくれたのかな。
「おお、フェルさん、無事でしたか。大丈夫だとは思っていても心配していましたぞ」
フェル姉ちゃんが無事? 心配していた?
「心配? ……そうか。心配してくれたのか。夜盗達は全員捕まえたからその報告に来た」
「わざわざご報告にいらしてくれるなんて、ありがとうございます」
おじいちゃんがそう言うと、お父さんとお母さんも「心配してました」と言って、笑顔でフェル姉ちゃんにお辞儀してる。
理解した。フェル姉ちゃんは兵士の人と一緒に夜盗を捕まえてきたんだ。フェル姉ちゃんからは戦いの臭いがする。一勝負あった感じだ。
「フェル姉ちゃん、夜盗をやっつけたの? 今度行くときは誘って。私がフェル姉ちゃんを守ってあげるから」
ボスなんだから部下を守るのは当たり前。こうやって徐々にフェル姉ちゃんの頭に上下関係を刷り込んでいかないと。あと、素振りをして強さを見せつける。
フェル姉ちゃんは微妙な顔をしてから、「部屋での素振りは危ないぞ」とだけ言って、出て行っちゃった。ここからが素振りのいいところなのに。
「おじいちゃん。フェル姉ちゃんは夜盗を捕まえに行ってたの?」
「そうだよ。フェルさんは探索魔法で夜盗の位置が分かっていたらしい。兵士さん達の道案内だったんだろうけど、フェルさん自身も戦ったようだね」
やっぱりフェル姉ちゃんは強い。もっともっと修行をしないとフェル姉ちゃんに追いつけない。よし、午後も頑張るぞ。
「アンリ、どこに行くんだい?」
「アンリは外で修行してくる。このままじゃフェル姉ちゃんに勝てない。本当なら山籠もりしたいけど、村の広場での修行にする。夜盗は捕まったんだし、お外へ行ってもいいんでしょ?」
「そうだね。もう大丈夫だろう。でも、アンリは午後の勉強があるだろう? 修行に行くなら勉強が終わってからにしなさい」
「絶対に断る。フェル姉ちゃんとの実力差は顕著。今から修行しないと追いつけない。アンリの人生計画が狂っちゃう」
フェル姉ちゃんを部下にして人界を征服すると言う人生計画。フェル姉ちゃんはキーパーソン。十年が一年になるくらい短縮ができると見た。早めに倒して味方に引き入れないと。
「ダメだよ、アンリ。人生計画と言うなら勉強も大事だ。昼食を食べたら勉強を始めるからね?」
「勉強していてもフェル姉ちゃんには勝てない。それじゃダメ。最後にモノを言うのはパワー。勉強じゃない」
逃げ出そうとしたらおじいちゃんに捕まった。無念。やっぱり、強くないと自分の思い通りには生きられないんだ。
「はい、それじゃお昼にしましょうね。お昼はアンリの好きなカレーよ」
お母さんがカレーを持ってきた。カレーの香りが鼻を通り抜けると、自然にお腹の虫が鳴いた。やっぱりあれは食材の仕込みだった。でも、カレーだから罪には問わない。カレーに罪はない。
仕方ない。カレーを食べて勉強をしてから修行しよう。
「アンリは甘口で良かった?」
「うん、中辛は大人の味。アンリにはまだ早い。あ、福神漬けは多めにして」
「はいはい、それじゃいただきましょう。お父さんがお土産に買ってきてくれたお米だからね。ちゃんとお礼をいいなさい?」
お米がお父さんのお土産だったんだ。もしかしてアンリを驚かそうとしていたのかも。にくい演出だ。これはいいサプライズ。
「ありがとう、お父さん」
「どういたしまして。アンリはカレーが好きだもんな」
「うん。いつか最高の食材でカレーを作って食べるのが夢。ドラゴンの肉とか」
「それは美味しそうね。でも、これはこれでいい物よ?」
お母さんのカレーは確かにいい物。頷いてからカレーを食べた。
うん、美味しい。
五本の指に入る美味しさだ。ここはおかわりを狙うのも悪くない。良くかみ砕いてお腹のスペースが埋まらないように食べよう。
午後の勉強も終わった。もう夕方だ。フェル姉ちゃんはお仕事を始めちゃったかな。確認だけしてみよう。暇そうだったら遊んでもらう。徹底的に。
「おじいちゃん。アンリは外へ遊びに行ってくる。夕飯までには帰るから」
「気を付けてな。そうそう、今日はフェルさんに遊んでもらうのは止めておきなさい」
またおじいちゃんの横暴が出た。こういうのが続くとアンリはグレるかもしれない。アンリが将来、お天道様に顔向けできない職業についたらおじいちゃんのせいって言おう。
でも、おじいちゃんの横暴には理由がある時が多い。一応話を聞いてみよう。スジが通っているなら言うことは聞かないと。
「どうして?」
「フェルさんは夜盗退治で疲れているだろうからね。もしかしたらウェイトレスのお仕事はお休みかもしれないけど、疲れているのにアンリと遊んだらもっと疲れてしまうだろう?」
そっか。フェル姉ちゃんは夜盗を捕まえてきたんだ。確かに疲れているかも。なら今日くらいは遊ばない方がいいかな。弱ってるフェル姉ちゃんに勝っても嬉しくない。
「分かった。なら夜盗退治のお話を聞いてくる。多分、刺激的。それじゃ行ってきます」
家をでて広場に出ると、珍しく人がいっぱいいた。兵士さんみたいだ。村の入り口や冒険者ギルドを見張ってるみたい。あと村の中も警戒しているみたいだ。
一人の兵士さんと目が合った。
顔の造形がいい。ディア姉ちゃんが言ってたから知ってる。これはイケメンって人だ。それとディア姉ちゃんはイケメンはこの村にはいないって言ってた気がする。
兵士さんの前で敬礼したら、敬礼を返してくれた。
「村長さんのところのお子さんかな? 広場で遊ぶのはいいけど、村の外に出ちゃダメだよ?」
「うん、以前、村の外へ冒険に出たら、ものすごく怒られた。同じミスはしない」
「そうか、賢いね。そうそう、今日は冒険者ギルドにも近寄っちゃダメだよ。悪い人を捕まえているからね。僕達が見張っているけど、万が一って事があるから」
ギルドの地下牢に入れられているのかな。見てみたいけど、邪魔しちゃいけない。
「うん、好奇心を抑えておくから安心して。それじゃ、お勤めご苦労様です」
「はい、ありがとう。気を付けてね」
イケメンの兵士さんと別れた。よし、フェル姉ちゃんがいる森の妖精亭へ行こう。
広場を横切って森の妖精亭まで来ると、入り口の近くに不思議な子達がいた。
スライムだ。幼女の姿をしたスライム。つまりスライムちゃんだ。赤、青、黄のスライムちゃんが踊ってる。
それを見てアンリの頭に閃光が走った。こんな言葉をおじいちゃんから聞いたことがある。
『将を射んと欲すれば先ず馬を射よ』
これだ。フェル姉ちゃんを部下にするなら、まず、周囲から部下にすればいいんだ。多分、スライムちゃん達はフェル姉ちゃんの部下。その部下を篭絡して、最終的にフェル姉ちゃんを落とす。
戦いに勝って部下にするという正当法もあるけど、からめ手の策を用意しておくのもいいと思う。
なんて完璧な作戦。アンリは自分の考えに身震いする。
まずは挨拶から入って情報を収集していこう。
「こんにちは。私の名はアンリ。皆はなんて言うの?」
スライムちゃん達は踊りを止めて、こちらを見つめている。
「スララーラ、スラララーラ、スララッラ」
何を言っているか分かんない。
「共通語は話せない? アンリの言葉は分かる?」
そういうと、スライムちゃん達はぼそぼそと話を始めちゃった。
しまった。言葉の壁という物があるなんて。最初からアンリの作戦は失敗しているのかも。
青色のスライムが前に出てきて、地面に文字を書いてくれた。
『文字は読めますか?』
アンリを甘く見てもらっては困る。文字の勉強はおじいちゃんに叩き込まれた。片目をつぶったって読める。
「うん、読める。スライムちゃん達は字の読み書きができるの? あ、言葉は分からないのかな?」
『大丈夫です。共通語は理解できます。言葉を発声できないだけです』
そんな風に地面に書いてくれた。どうやらスライムちゃん達と意思疎通はできるみたいだ。よし、作戦に支障はない。ミッションスタートだ。
「なら改めまして。こんにちは。私の名はアンリ。皆はなんて言うの?」
『ジョゼフィーヌです』
『エリザベートです』
『シャルロットです』
それぞれ地面に字を書いてくれた……うん、覚えた。青がジョゼフィーヌちゃん、赤がエリザベートちゃん、黄がシャルロットちゃん。アンリの頭にインプットした。
「皆は何をしているの? 踊り? アンリも一緒に踊る? こう見えて、踊りにはうるさいよ?」
『洗濯をしています。フェル様の服が――で汚れてしまったので』
鼻水って書いたけど、消しちゃった。鼻水が出た時は紙でチーンしないとダメ。たまに勢い余って、服にまで飛ぶときがあるけど、それかな。
「そうなんだ。じゃあ、皆は忙しい? 色々質問しても大丈夫?」
三人が顔を見合わせてから、シャルロットちゃんだけが踊り出した。
『はい。シャルロットは洗濯を続けますが、私とエリザベートは大丈夫です。どんな質問ですか?』
「うん。フェル姉ちゃんのことを質問させて。ここだけの話だけど、アンリは人界を征服するつもり。フェル姉ちゃんを私の部下にして、その補佐をしてもらう予定。だからフェル姉ちゃんの事を色々知りたい」
スライムちゃん達が止まっちゃった。洗濯中のシャルロットちゃんも。
ファーストインパクトは完璧だ。初っ端に相手の度肝を抜く。これが交渉戦術。
『フェル様を部下にされるのですか?』
よろよろとジョゼフィーヌちゃんが地面に文字を書いた。動揺させたみたい。これは追撃チャンスかも。
「うん。今はまだ勝てないけど、いつか勝って部下になって貰う。昨日、三本先取の戦いは一対三で負けたけど、アンリはまだまだ成長するから、いつかは勝てる」
『フェル様から一本とったのですか?』
なんだろう? スライムちゃん達がザワザワしてる。
「うん、不意打ちだったけど、右足の脛に一撃入れた。そこから逆転されちゃったけど」
『例え不意打ちでもフェル様に一撃をいれるとは驚きました』
「フェル姉ちゃんは魔族の中でもすごく強いの?」
スライムちゃん達が驚くということは魔族の中でも相当強いのかも。すごく強いなら、魔界にいるかもしれないフェル姉ちゃんの部下にも人界征服を手伝ってもらおう。
『そうですね。魔族の中では最強です』
「最強? 最も強い? フェル姉ちゃんが?」
『はい、フェル様は魔族の中で最強です』
「すごい! フェル姉ちゃんは魔族の中で最強! アンリの目に狂いはなかった!」
いけない。ちょっと興奮しすぎた。深呼吸しないと……うん、落ち着いた。でも、まだ心臓がどきどきしている。クールダウンに別の話もしてみよう。
「えっと、ならフェル姉ちゃんが連れてきている皆も強いの?」
そう聞いたら、スライムちゃん達は肩を落としてがっくりした。どうしたんだろう?
『我々は強い方だと思います。でも、フェル様が連れてきているわけじゃないのです』
「どういう意味?」
『我々はフェル様に頼み込んで連れてきてもらっただけなのです』
「そうなの?」
『はい。本来のフェル様は補佐や護衛などが必要ないぐらいお強いのです。それでも我々はフェル様をお守りしたいという気持ちがありましたので、雑用でもいいからと無理を言って連れてきてもらいました』
「そうなんだ。でも、護衛が必要ないくらいフェル姉ちゃんは強いんだよね? それなのにどうして守りたいって思ってるの?」
『それは以前、フェル様をお守りできなかったからですね。あの時の事を思うと今でも自分が許せません。下手をすればフェル様は亡くなっていたでしょう。あんな思いはもう二度としたくありません。例え護衛が不要でも、お側に仕えたいのです』
複雑な事情があるみたい。あまり踏み込んじゃダメなのかも。大人の事情に踏み込むと良くないっておじいちゃんが良く言ってる。少しだけ話題の矛先を変えてみよう。スライムちゃん達を褒める感じで行こうかな。
「すごい忠誠心。フェル姉ちゃんは幸せ者だと思う」
ジョゼフィーヌちゃんは首を横に振った。残念そうな顔をしている。
『フェル様は私達が忠誠を誓うことも敬意を払うことも許可されていません。ですので、意図的にその逆をするようにしています。気を抜くと敬意を払ってしまいますので』
「よく分かんない。許可されていないってどういう事?」
『フェル様は半年ほど前に、自分に敬意を払う必要はない、とおっしゃいました。その意図をフェル様が語ったことはありません。ただ、魔族の幹部である皆さんがある程度の予想を立ててくださいまして、その予想から作った方針に従っているのです』
聞いてもよく分かんなかった。フェル姉ちゃんには色々あるみたいだ。ミステリアス。
「あれ? アンリちゃん? こんなところでどうしたの?」
背後から声を掛けられた。ディア姉ちゃんだ。夕食を森の妖精亭で食べるのかな。
「ディア姉ちゃん、お仕事終わったの?」
「うん、今日もいっぱい仕事して疲れたよ」
「アンリは騙されない。それは嘘」
「アンリちゃん、いい? 例え嘘だと分かっていても黙っているのが大人なんだよ? それが円滑な関係を作るの」
「アンリはまだ子供だから嘘を指摘する。でも勉強になった。ありがとう」
「うん、どういたしまして。で、どうしたの? えっと、スライムさん? 踊っているのかな? それとも何かの儀式?」
スライムちゃん達はまた洗濯を始めたみたい。ディア姉ちゃんと違ってちゃんとお仕事しているから邪魔しちゃいけなかったかも。後でなにかお礼しよう。
「ちょっとスライムちゃん達にフェル姉ちゃんの事を聞いてた。でも、これ以上邪魔しちゃいけない。それにそろそろ門限。帰らないと」
「そうだね。そろそろ暗くなってきたから帰らないとね。一人で大丈夫?」
「うん。寄り道しないから大丈夫。それじゃ帰る。スライムちゃん、今日はありがとう。色々お話できて楽しかった」
アンリが手を振ると、スライムちゃん達もくるくる回りながら手を振ってくれた。
「気を付けてねー」
ディア姉ちゃんにも手を振ってから帰路につく。
フェル姉ちゃんは色々あるみたいだ。
謎の女魔族って感じで恰好いい。それに魔族の中では最強だった。フェル姉ちゃんを倒せば魔界征服と言ってもいいかも。
よーし、頑張って修行するぞ。打倒フェル姉ちゃんだ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます