第二百四十九話 今日から色々な勉強も始まります
日々の訓練もパワーアップしていきますが、今日から勉強もパワーアップしていきます。
「おはようございます!」
「レオ君おはよう、中に入ってね」
僕とシロちゃんは、ボーガン様の屋敷に来ています。
今日から家庭教師の人から、色々と勉強を教えて貰います。
僕とシロちゃんは、チェルシーさんに案内されて応接室に行きました。
「家庭教師が来るまでまだ時間があるから、ちょっと待っていてね。早速、村の害獣駆除をしたみたいね。ありがとうね」
「いえ、僕は冒険者ですから依頼があれば頑張ってやります。それに、フレアさんとミシャさんも一緒にいましたので」
「私も良く知っている、凄腕の冒険者と一緒なのはとても安心だわ」
チェルシーさんとお茶を飲みながら話をするけど、フレアさんの所もミシャさんの所も大きいお店だから、サンダーランド辺境伯家の皆さんとは顔見知りなんだよね。
「フレアさんとミシャさんに、新しい魔法を教えて貰っています。勿論、剣技も教わっています」
「レオ君は凄い魔法使いだけど、まだまだ幼いわ。いっぱい勉強するのは、とても良い事よ」
楽しそうに話す僕の事を、チェルシーさんもニコリとしながら聞いてくれました。
フレアさんとミシャさんの教え方もとっても上手なので、もしかしたら年が明ける頃には結構パワーアップしそうですよ。
コンコン。
「失礼します。奥様、家庭教師のマリアナ様がお見えになりました」
「分かったわ。通して頂戴」
おお、いよいよ家庭教師の人と会うんだね。
僕とシロちゃんも、ちょっと緊張しながら席を立ちました。
「失礼します。奥様、お久しぶりでございます」
「久しぶりね。元気になって何よりだわ」
応接室に入ってきたのは、とっても品の良いお婆さんでした。
白髪を綺麗に編み込んでいて、上品なケープを羽織っています。
「えっと、マリアナさん、初めまして。僕はレオです。このスライムは、シロちゃんです」
「まあ、ご丁寧にありがとうね。私はマリアナよ。これから宜しくね」
マリアナさんも、ニコリとしながら僕に挨拶をしてくれました。
すると、マリアナさんは僕にペコリと頭を下げてきました。
「実は、私はあの治療院に入院しておりました。かなり重い病気だったのですが、こうして動ける様になったのは奇跡だと思っております」
あっ、あの治療院にマリアナさんは入院していたんだね。
元気になって良かったと思ったら、シロちゃんがひょーんってマリアナさんの前にジャンプしました。
シュイン、きらー!
「こ、これは回復魔法? スライムが魔法を?」
あっ、そっか。
マリアナさんの体が完全に治っていなかったから、シロちゃんが治療をしたんだね。
マリアナさんはシロちゃんが魔法を使ってビックリしているけど、僕は理由が分かってホッとしました。
「マリアナさんの体に病気が少し残っていたので、シロちゃんが回復魔法を使いました。もう、元気になったと思いますよ」
「重病だったのに動ける様になり、こうして更に治療を受けられるとは。レオ君とシロちゃんは、本当に凄いのですね」
「レオ君とシロちゃんは、目の前に困っている人がいるから助けるって考えなのよ」
「まだ幼いのに、とても素晴らしい精神の持ち主ですわ」
マリアナさんは驚いた表情を見せていたけど、チェルシーさんは何回も僕と一緒に治療していたから特に驚いていませんでした。
「では、早速始めましょうか。最初にレオ君のレベルを把握する為、テストをしてみましょう」
「分かりました。あの、シロちゃんもテストを受けてみたいそうなんですけど、大丈夫ですか?」
「い、良いけど、す、スライムがテスト、ですか……」
あっ、そうか。
普通は、スライムが問題を解くなんて出来ないもんね。
でもシロちゃんはとっても頭が良いし、会話も問題なくできるもんね。
テーブルと椅子がある部屋に移動して、テストをする事にしました。
僕も本とかを良く読んでいたから、どこまで問題が解けるか楽しみだよ。
「では、始めて下さい」
紙に書かれた問題を、僕とシロちゃんは解いていきます。
良かった、本で見た事のある内容だよ。
カキカキカキ。
「うーんと、これはこうで……」
カキカキカキ。
「全部出来ました!」
「二人とも、もうできたのね。では、採点するわ」
十分くらいで、僕もシロちゃんも問題を解き終えました。
マリアナさんは驚いちゃったけど、直ぐに解答を始めました。
「うん、二人とも満点ですね」
「やったー!」
「レオ君はとっても賢いですね。いつもどんな本を読んでいますか?」
「えっと、こんな本を読んでいます」
ふふふ、僕もシロちゃんも満点でとっても嬉しいです。
そして、僕が普段読んでいる本を、マリアナさんに見せました。
おや?
マリアナさんが、僕の読んでいる本を見て固まっちゃったよ。
「レオ君は、今は何歳ですか?」
「僕は五歳ですよ」
「そうですか……」
あれれ?
マリアナさんは僕の年齢を聞いて、更に固まっちゃったよ。
何かあったのかな?
「奥様、レオ君は五歳なのですが、既に十二歳程度の知識があります。魔法使いは総じて頭が良いと聞いておりますが、ここまでとは思いませんでした」
「実はね、私もレオ君はとても賢いと思っていたの。でも、まさかそこまで頭が良いとは」
「これは、カリキュラムを考え直さないとなりません。逆に、レオ君に不足している知識を重点的に教えた方が宜しいかと」
うーん、マリアナさんとチェルシーさんが考え込んじゃったよ。
僕とシロちゃんの勉強って、どうなっちゃうのかな?
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