第五百二十五話 特別治療班
そして、着せられた服はアイリーンさんと色違いのとても細かい刺繍がしてある軍服で、アイリーンさんが白を基調にしているのに対して僕のは青を基調にしていました。
しかも、服と同じ色のマントまで付いています。
サイズはピッタリでとても動きやすいけど、とても豪華な服でちょっと恥ずかしいなあ。
「うん、サイズ直しは必要なさそうね。青色も、レオ君に似合っているわ」
「わあ、とっても凛々しくなったわね」
「良い感じに仕上がっているわ」
「これなら、どこから見てもカッコいい宮廷魔術師様ね」
アイリーンさん含めて、皆さんもうんうんと頷いていました。
シロちゃんも、アイリーンさんに抱かれたままフルフルと震えていますね。
「改めて紹介するけど、この三人が特別治療班として同行するわ」
「ケイトよ、宜しくね」
「カーラです、一緒に頑張ろうね」
「マイアと申します、宜しくお願います」
桃色のロングヘアのケイトさんは回復魔法が使えて、濃い緑色のショートヘアのカーラさんは薬師でポーションや生薬の専門家だそうです。
水色のセミロングのマイアさんは新人兵で、この前の合同訓練時にも一緒だったので僕もよく覚えています。
ここに、僕とアイリーンさんが加わった五人がサンダーランド辺境伯領に向かいます。
「レオ君にはシロちゃんとユキちゃんもいるから、私たちとしてもとても心強いわ」
「シロちゃんもユキちゃんもとっても腕の良い治癒師なので、きっと多くの人を助けられると思います」
「こういう時だから、少しでも多くの治療の手が必要なのよ。個人的には、早く戦闘が終わることを祈るばかりだわ」
僕も、アイリーンさんと気持ちは同じです。
人が多く傷つくのは、やっぱり嫌だもん。
これで顔合わせは終わり、明日の朝また王城に行くことになりました。
僕とシロちゃんは、部屋を出てギルバートさんの執務室に向かいました。
「おお、レオ君終わったか。新しい服もとても似合っているよ」
ギルバートさんは、真新しい服を見て目を細めていました。
でも、ちょっと確認しないといけないことが。
「ギルバートさん、もしかして僕が宮廷魔術師になるのって結構前から決まっていました?」
「実を言うと、シークレア子爵領に行く前から決まっておった。レオ君がシークレア子爵領に行っている間に、ターニャとどんな服がいいか決めていたのだよ」
そんなに前から決まっていたなんて、すっかり偉い人に騙されちゃいました。
でも、シロちゃんはこのくらいは当然だとフルフルと頷いていました。
「新人兵の教育もとても評判が良かったし、これなら問題ないと判断したんだよ。面倒くさい連中もいなくなったのも大きかった」
「もしかしなくても、ゴルゴン侯爵一派のことですね」
「奴らは、事あるごとに若い陛下の決定に反発していた。レオ君を宮廷魔術師に任命すると、勢力が落ちると思って猛反発しただろう。その前に、奴らは自爆したがな」
確かに、ゴルゴン侯爵一派は僕の初めての謁見の時にも色々言っていたよね。
軍にも余計な口出しをしていそうだし、本当に迷惑な人たちだった。
そして、ギルバートさんの業務が終わるまで、僕は執務室にあるソファーに座って魔法使いの本を読んでいました。
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