第五百八十二話 楽しみながらのパーティー
全部着替え終わったところで、前と同じパーティー会場に案内されました。
すると、ダンビルさんとシャンティさんが僕たちに挨拶してくれました。
「ダンビルさん、シャンティさん、こんばんは。今日は、わざわざありがとうございます」
「レオ君、一ヶ月ぶりだね。今日は楽しんでいってね」
「身内だけのパーティーだから、気楽にしてね」
こう言ってくれると、僕もとっても気が楽になります。
まだ時間があるようなので、このままシャンティさんとお話しすることになりました。
ダンビルさんは、来賓の出迎えがあるそうです。
「レオ君の新しいお友達もとっても可愛いわね。ふかふかの羽毛で、触ると気持ちいわね」
「ピィ!」
ピーちゃんは、シャンティさんに優しく撫でられてとってもご機嫌です。
さっきお風呂場で水浴びをしたから、とっても綺麗になったんだよね。
シロちゃんとユキちゃんも、とってもピカピカになっています。
「レオ君のお陰で停戦になったと言われているけど、結局何をやったのかな?」
「うーん、確かに治療をしていましたけど、穏やかな日も結構あったんですよね。シロちゃんと一緒に夜襲を防いだり、身体能力強化魔法を使って手合わせしていたら兵がとても強くなったり、基地の補修で大量のレンガを作ったりした程度ですよ」
「レオ君、それってその程度で片付けられるレベルじゃないわよ……」
シャンティさんは笑顔のまま固まっちゃったけど、僕よりもお友達のみんなの方が頑張った気がするんだよね。
すると、シャンティさんの意見に同意する人が複数やってきました。
「レオ君、基地の補修もそうだし屈強な兵を何人も生み出すなんて普通ありえないんだよ。お友達の力を合わせると、普通にとんでもない戦力になるよ」
「だよなあ。兵を鍛える良い方法を教えて貰ったし、何よりもレオに負けたくないって気持ちが大きいだろう」
パーティー会場に現れたマイスター師団長さんとバッツさんが、僕が凄い事をしたと言っていました。
そんなに凄いことをしたつもりはないんだよね。
でも、マイスター師団長さんはちゃんと僕のお友達も評価してくれたね。
更に、コレットさんたちも招待されていました。
段々と招待客が集まってきましたね。
「あと、レオ君は優しいし自分を律することができるけど、中には偉くなった途端に頭に登るものも現れる」
「確か、前にもいたな。戦功を上げて偉くなった瞬間に馬鹿なことをした奴が。確かに、レオならそんな馬鹿な奴と同じことはしないな」
マイスター師団長さんもバッツさん、僕は自惚れするようなことはしないよ。
そんなことをして失敗した貴族を見てきたし、そもそも僕はそんなに偉くなったと思ってはいないんだよね。
うーんって考えていたら、主催者のネストさんがダンビルさんとイストワールさんとともにやってきました。
「レオ君は下心を持たず一生懸命にやっているからこそ、多くの人の心を惹きつけるのだ。だからこそ、皆がレオ君のことを天使のように崇めるのだ」
確かに、僕は目の前の人を助けたいって思いでやっているんだよね。
これは、初めて魔法が使えた時から変わらず思っています。
そして、ネストさんはグラスを持ちながら更に言葉を続けました。
「特に、レオ君が長期滞在した領地はその恩恵を多く受けている。もちろん、我が領地もその一つだ。だからこそ、そんなレオ君のことを自分のことのように喜び、そして祝福したいのだ。今宵はこのような場を設けることができて、私もとても嬉しく思う。では、乾杯をしよう。乾杯!」
「「「乾杯!」」」
こうして、パーティーが和やかに始まりました。
シロちゃんたち用の料理も作ってくれて、ジェシカさんがささっと取り分けてくれています。
僕も料理を食べていると、今度はコレットさんが僕に話しかけてくれました。
「レオ君と初めて会ってから、もう一年以上経つのね。背は少し大きくなったけど、頑張りやさんなところは変わりないわ」
「僕も、国境にいる間に大きくなりましたよ。ちょっとだけですけどね」
「ふふ、もう少し大きくなりたいみたいね。いっぱい食べていれば、直ぐに大きくなるわよ」
コレットさんは、僕の頭を優しく撫でながらそんなことを言ってくれました。
八歳だけど身長は六歳くらいなので、もっと大きくなりたいなあ。
そんなことを思っていたら、トマトパスタが盛られている皿を手にしたイストワールさんがやってきました。
「レオ君の大好物を用意したわ。ようやくたくさん食べられるようになったのだし、焦らずゆっくりと大きくなりましょうね」
せっかくだからバーボルド伯爵家特製のトマトパスタを食べたけど、本当にとても美味しかったです。
その後も色々な人とお喋りできて、とても楽しかったです。
シロちゃんたちも、知り合いの人とお喋りできたみたいですね。
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