第百五十一話 ナナさん達が冒険者登録している間の時間つぶし
因みに、ナナさんとユマさんとハナさんはまだ冒険者登録をしていないので、準備を整えてから冒険者ギルドに向かいます。
僕も、バーサス子爵の別荘の件もあるもんね。
「ねーねー、レオ君って冒険者になってどれ位経つの?」
「えーっと、ちょうど一年過ぎた位です」
「わあ、レオ君は冒険者の先輩なんだね!」
冒険者ギルドに向かう道中、ユマさんが僕に積極的に話しかけてきました。
ナナさんとハナさんは、ユリアさんとイリアさんとお話をしています。
「昨日も大活躍していたって聞いたけど、ならず者を何人も倒したんだってね」
「うーん、僕は魔法で襲ってきた人を痺れさせただけなので、殆ど守備隊の人が捕まえていましたよ」
「でも、華麗に魔法を操るレオ君って、きっとカッコいいんだろうね。流石は黒髪の魔導師っね」
何だか、ユマさんのテンションが凄く高いよ。
そして、他の人も僕とユマさんを見てクスクスしているよ。
でも、あっという間に冒険者ギルドに到着したので、ここからはお話はないはずです。
「さあ、受付に行って冒険者登録するわよ」
「「「はい」」」
ユリアさんが、三人を引き連れて受付に行きました。
冒険者登録の邪魔をしちゃ悪いから、僕は隣の受付でお話をしないとね。
「昨日の守備隊への協力依頼は軍も絡む事になったので、軍が来てから改めて依頼料を計算してお支払いする事になりました」
「分かりました。ありがとうございます」
「いえ、レオ君はしっかりとしていますね」
受付のお姉さんが、ニコリとしながら僕の質問に応えてくれました。
確認して良かったね。
他の受付のお姉さんが羨ましそうに僕の事を見ているけど、特に気にしない様にしようと。
「はい、これで全員の登録が完了しました。この後ちょうど初心者向けの講習が開かれるので、三人とも必ず参加して下さい」
「「「はい」」」
隣でも、ナナさん達の冒険者登録が終わったみたいだよ。
僕も初心者向け講習って、一年前に受けたんだよね。
何だか懐かしいなあ。
「レオ君、私達も初心者向け講習の補助をする事になっているの」
「悪いけど、午前中は別行動ね」
おお、ユリアちゃんとイリアさんが初心者向け講習の補助なんだ。
二人とも、冒険者を始めて四年目だもんね。
皆は、冒険者ギルドの個室に向かって行きました。
うーん、僕はどうしようかな?
あっ、昨日頼まれていた事をやろう。
「すみません、ポーション作りをしたいんですけど、どこか冒険者ギルドの一角を借りられますか?」
「そうね、使っていない個室があるから、そこを使って良いわよ」
受付のお姉さんの許可を得たので、僕は使っていないギルドの個室を借りる事にしました。
とはいっても、今の手持ちの材料だと二十個が限界です。
薬草も空き瓶も、全然足りないんだよね。
グツグツ、グツグツ。
ちょんちょん。
「おっ、良い感じに出来たね。シロちゃんも、ポーション作りができるかもね」
ちょうど良い感じに煮えた所で、シロちゃんが僕の事を触手でちょんちょんしてきました。
シロちゃんも魔法が使えるから、一緒にポーション作りをしてくれるととっても嬉しいな。
「よいしょ、これで液体が冷めれば瓶に詰めて終わりだね。じゃあ、冷める間に次のポーションを作ろう」
シロちゃんも触手を上げて、おーって言っているみたいだよ。
こうして、お昼前には二十個のポーションが完成しました。
因みに、使い終わった薬草は、シロちゃんが吸収してくれました。
「すみません、ポーションが二十個できました」
「おっ、早いな。品質も問題なさそうだな。じゃあ、冒険者ギルドカードを出してくれ」
昨日のゴブリンキングの解体も対応してくれた職員が、ポーションの品質を確認してくれました。
ポーション作りも冒険者としての実績にカウントされるので、とってもありがたいです。
お金を貰って買取スペースを見回すと、木箱の中に空になったポーションの瓶が沢山あったよ。
この空き瓶って、どうするのかな?
「すみません、この空き瓶ってどうするのですか?」
「これか? 後で瓶を作っている業者が引取に来て、溶かして再利用するぞ」
そっか、瓶を作る人もいるもんね。
貰えるかと思ったけど、ちょっと残念です。
ガヤガヤガヤ。
おっ、ギルドの奥から初心者向け講習に参加していた人が出てきたよ。
ユリア達の姿も見えます。
実技試験も、無事に終わったみたいですね。
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