第三百七話 宿に到着です
とっても美味しい昼食の後は、屋敷を後にしてザンギエフさんのやっている宿に向かいます。
「とっても美味しい昼食、ありがとうございました」
「あら、とってもいい返事ね。レオ君、また遊びに来て頂戴ね」
見送りに来てくれたイレーナさんに手を振りながら、僕はザンギエフさん達と一緒に街に戻って行きました。
宿は冒険者ギルドの方角ですね。
「冒険者ギルドから直ぐの所に、うちの宿がある。一見さんお断りだから、冒険者でも客の質は良いぞ」
「というか、オヤジとおふくろのチェックを逃れられる奴はいないな。悪意のある奴は、直ぐに摘み出されるぞ」
「料理も最高に美味いぞ。なんせ、シークレア子爵領は新鮮な魚に加えて何でも揃うからな」
「あと、俺らには妹もいるぞ。ちょっと手が早いが気にすることはないぞ」
な、何だか次から次へと色々な情報が出てきたよ。
ザンギエフさんの実家の宿は、とっても料理が美味しくて、良い人しか泊まらないって事だね。
あと、ザンギエフさん達の妹さんにも興味はあるよ。
でも、うーん、ザンギエフさんみたいなゴリゴリマッチョな妹さんなのかな?
どんな人かは、実際に会ってみれば分かるね。
という事で、ザンギエフさん達の実家の宿に到着です。
おお、凄いよ。
三階建ての、とても大きな宿だよ。
とっても大きな宿に、皆で入ります。
「あれ? カウンターに誰もいないな。おーい、お客さん連れてきたぞ」
「はいはい、ちょっと待っていてね」
ザンギエフさんがキョロキョロとしながら厨房の方に声を掛けると、とっても若い女性がやってきたよ。
ピンク色っぽいショートヘアで、背は低いけどスタイルは抜群だよ。
「お、いたいた。かーちゃん、もしかしたら話が言っているかもしれないけど、黒髪の魔術師のレオだ」
「あら、ザンちゃん、ありがとうね。お館様の使いの方から、簡単に話は聞いているわ。レオ君、息子がお世話になったわね」
えっ、目の前のとっても若そうな美人さんが、まさかまさかのザンギエフさん達のお母さん?!
あまりの衝撃に、流石に僕もシロちゃんもビックリしちゃった。
「は、初めまして。僕はレオです、このスライムはシロちゃんです。宜しくお願いします」
「あらあら、とっても丁寧なご挨拶ね。子ども達とは大違いだわ。私はオリガよ、宜しくね」
むぎゅ。
「むぐ、むぐぐぐぐ!」
オリガさんに挨拶をしたら、急に抱きしめられちゃった。
お、お胸に顔が埋まって、柔らかいけど息ができない!
「うーん、レオ君ってとっても可愛いわ。息子の小さい頃を思い出すわね」
「ちょ、ちょっとかーさん。レオが死にかけていているぞ!」
ガバッ。
「はあはあはあ……」
「レオ君ごめんね。あまりにも可愛いから、ギュってしちゃったわ」
「かーさんは、可愛いものに目がないから、思わずレオの事を抱きしめたんだな」
ザンギエフさんが僕とオリガさんを引き離してくれたけど、お胸の中で窒息死するところだったよ。
あと、僕を抱きしめる力が半端なかったから、何となくオリガさんはザンギエフさんのお母さんなんだって思っちゃった。
「後はお母さんがやるから、ザンちゃん達は休んでていいわよ」
「そうするわ。領主様に会ったりして、流石に気疲れしたぞ」
「皆さん、色々とありがとうございました」
オリガさんに見送られながら、ちょっとお疲れのザンギエフさん達が自室に戻って行きました。
この後は、僕の部屋の事なのかな?
すると、オリガさんは厨房に声をかけました。
「あなた、ナディア、レオ君が来てくれたよ」
「おう、いま行くぞ」
「ち、ちょっと待って」
オリガさんが厨房に声をかけると、熊よりも大きそうな無精ひげのおじさんと、まるでオリガさんそっくりの女性が出てきました。
この人が、オリガさんの旦那さんと娘さんだね。
「初めまして、僕はレオです。このスライムはシロちゃんです」
「おっ、元気な挨拶だな。俺はユリス、この宿のオーナーだ。息子が世話になったな」
「わわっ!」
ユリスさんは頭にバンダナを巻いていて、とっても豪快な人です。
ニカって笑いながら僕の頭をグリグリと撫でてきたけど、全く悪い感じはしません。
「わあ、とっても可愛いね。ナディアよ、宜しくね」
ナディアさんは、僕の手をとってブンブンとしてきました。
髪型も顔も背もオリガさんとそっくりだけど、お胸の大きさが違うから直ぐに分かります。
ナディアさんも、お胸は結構大きい気がするよ。
「レオ君は、一階の私達の居住区域がある所に泊まって貰うわ。その方が安全だし、何かあっても直ぐに対応できるわ」
「色々とご迷惑をおかけします」
「良いのよ。私達も荒波一家には迷惑しているし、これを期に全滅させたいわ」
部屋までオリガさんが笑顔で話してくれたけど、うん、オリガさんはめちゃくちゃ強そうだよ。
なんというか、オーラを感じるね。
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