第二百七十八話 花飾りを作ってみよう
そしてお花の祭りまであと半月になった時、僕はミシャさんのお父さんに話しかけられました。
「レオ君、もうそろそろ花祭りがあるのは知っているよね?」
「はい、フレアさんとミシャさんから教えて貰いました」
「そうか、それは良かった。実は、レオ君に頼みがあるんだ」
僕に頼みって何だろうって思いながら、そのままミシャさんのお父さんの話を聞きました。
「頼みは二つあるんだよ。一つは花祭りの時に飾る花飾りを、うちの職人と一緒に作ってくれないかなってね。手先の器用なレオ君なら、きっと綺麗にできるよ」
「是非とも、やってみたいです!」
「はは、それは良かった。ミシャも参加するから、詳しくはミシャに聞いてくれ」
どんな花飾りを作るのか、とっても楽しみです。
僕だけでなく、シロちゃんもやる気満々になっていますね。
「二つ目は、レオ君用の出店を出そうかと思っているんだよ。レオ君に花をモチーフにしたピンブローチを作って貰って、それを販売するんだ」
「店頭でデモとか、リクエストを受けて作るのもやりますか?」
「それもお願いしようかな。お金の管理は、フレアとミシャに任せれば良い」
僕の出店が出るんだね。
何だか、とってもワクワクしちゃうね。
「花飾りは、販売用も含めて作っているんだ。店の中にある工房で作っているんだよ」
「わあ、見てみたいです」
「ふふ、興味津々って感じだな。この辺は、年頃の男の子って感じだね」
僕は、何かを作るのが好きなんだよね。
花飾りを作るのも、とっても興味津々です。
僕とシロちゃんは、ミシャさんのお父さんの後をついて行って、工房に案内して貰いました。
ガラガラ。
「ここだよ。おーいミシャ、レオ君が工房の作業を見てみたいそうだよ」
「あら、レオ君も来たのね。こっちだよ」
「じゃあ、ミシャ、後は頼んだよ」
工房の中では、ミシャさんを含む人が手際よく花飾りを作っていました。
花飾りも種類があって、棒に花をつけるものや、リースの大きいのだったり、花束みたいなものもあります。
僕とシロちゃんは、ミシャさんの隣に移動してどんな作業をしているのか見せて貰いました。
「お花も、普通のお花を使ったり造花を使ったりと色々なんですね」
「レオ君、直ぐに分かったのね。花も長持ちするように、ドライフラワーを使ったりしているのよ」
お花も何種類も用意しているし、造花も本当のお花みたいだよ。
そして、気になったのはリースの大きさです。
「何だか、とっても大きなリースもありますね」
「店頭に飾る物なのよ。目立つように、大きなリースにしているのよ」
確かにお店に飾るとなると、とっても大きなリースじゃないと目立たないもんね。
注文を受けた分を作って、中には自分のお店のリースは自分で作るって所もあるんだって。
「リース作りは、ベテランの職人がやっているのよ」
「わあ、凄い! 枝を複雑に絡めて輪っかを作っています!」
おじいちゃん職人さんが、器用にとっても大きなリースを作っていました。
長年の職人技って感じで、とってもカッコいいです。
「花束を作る所は、ドライフラワーを使っているのが多いわね」
「確かに、生花だと枯れちゃいますね」
花束も店頭に飾る事が多いらしく、とっても華やかな色の物があります。
おばちゃんが手際よく作っていて、とってもカッコいいです。
「レオ君なら、簡単なリースを作れそうだね。やってみる?」
「やってみたいです!」
「じゃあ、作ってみましょうね」
僕はミシャさんから、簡単なリースの作り方を教えて貰います。
ミシャさんが手にしたのは、とっても小さなリースです。
「どんな形にするかを考えたら、花をいくつかの束にしてリースの土台に置いて麻紐や針金とかを使って固定します。今回は麻紐ね。最後に、リボンで装飾して完成です」
わあ、あっという間にリースができちゃったよ。
でも、作り方は簡単だから、僕とシロちゃんにもできそうだね。
早速、作ってみよう!
「えーっと、綺麗に見えるように上手く組み合わせてっと。出来た!」
「凄いわ、一回でできちゃったね。ピンブローチを作っているから、とても手際がいいわ」
何とか、それなりのリースができちゃったよ。
色々な組み合わせができるから、作る人次第だね。
「シロちゃんは、わあ、凄いね!」
「念動で宙に浮かべて作るなんて、シロちゃんらしい作り方だね」
シロちゃんは、リースを念動で浮かべてカラフルなリースを作っていました。
如何にも、シロちゃんらしい作り方だね。
こうして、いくつかのリースを作ってみました。
「うん、良い出来ね。じゃあ、店頭に置いてくるわ」
「あの、もしかして販売するんですか? 練習じゃなかったんでしたっけ」
「良い出来だから、販売しても全く問題ないわ」
いきなり販売するなんて、僕とシロちゃんはとてもビックリしています。
でもミシャさん曰く、店頭に置いて直ぐに売れたそうです。
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