第四百九十八話 再びの新人兵との訓練
捜査の関係で依頼もお休みしていたけど、今日はまた軍の施設に行って新人兵との訓練を行います。
マヤちゃんもフランソワーズ公爵家での環境に慣れてきて、だいぶ良い笑顔になってきました。
何よりもクリスちゃんが物凄く張り切っていて、マヤちゃんの面倒を良く見ています。
ウェンディさんとアレックスさんも、頑張っている妹の姿を微笑ましく見ていました。
「じゃあ、行ってきます」
「アオン」
「「いってらっしゃーい」」
クリスちゃんとマヤちゃんに見送られながら、僕たちは軍の施設に出発しました。
そして軍の施設に着くと、何故か予定人数よりも新人兵が増えていました。
一体どういうことなのと思ったら、僕の近くにやってきたアイリーンさんが理由を説明してくれた。
「元々二日間で別の新人兵と交換する予定だったんだけど、例のゴルゴン侯爵への捜索で訓練ができなかったのよ。だから、訓練所のスペースもあるし、まとめてやっちゃおうということになったのよ。大隊の訓練になるしね」
新人兵もいきなり屋敷の捜索に駆り出されたりと、かなり大変だったみたいです。
ようやく屋敷の捜索も一段落したので、訓練に戻れるみたいです。
では、さっそく訓練を始めましょう。
カンカンカン!
「おらおら、ドンドンと打ち込んでこい。ツーマンセルだろうが!」
「「はい!」」
今日は、ツーマンセルの訓練なんだけど、相手がバッツさん一人なんだよね。
それでも、バッツさんの方が圧倒的に強いよ。
新人兵も、何とかバッツさんに一刀入れようと、必死に動いています。
「もっと打ち込んできていいですわ。そうそう、コンビネーションを使いましょうね」
アイリーンさんも新人兵の相手をしているけど、剣さばきがとっても上手です。
それに、バッツさんよりも指導が上手な気もします。
「あの、打ち込んでも良いのですか?」
「はい、大丈夫です。どんどん向かって下さい」
「では、遠慮なく!」
僕も、木剣を手にして新人兵の相手をします。
僕にとっても良い訓練になるし、コンビネーションを使ってくる人に対する対応を学ぶことができる。
身体能力強化はちょこっとしか使わないでいるけど、流石に何もしないと圧倒されちゃいます。
「よし、行くぞ!」
「アオン!」
そして、シロちゃんとユキちゃんも新人兵の相手をしていました。
流石に、ユキちゃん一匹で新人兵二人を相手にするのは大変です。
でも、シロちゃんも加わると一気に強くなります。
実際に、新人兵二人でも圧倒していました。
二匹は、いつも一緒に手合わせしているからでしょうね。
こうして、最初の剣技訓練は終了したのですが、怪我人が何人も出ちゃったのでスカラさんたちが治療をしていきます。
因みに、僕たちが怪我をさせた訳じゃなくて、ほぼ自爆して怪我をしていました。
治療班にも新人兵がいて、スカラさんたちが丁寧に指導していました。
僕たちも、休憩をします。
ジェシカさんが、皆さんにタオルを配ってくれました。
「レオ、例の救出した嬢ちゃんはどうしている?」
「元気に過ごしています。絵本とか遊ぶを読む機会が少なかったみたいなので、クリスちゃんがよく面倒を見ています」
「そうか、ならいいや。子どもなのに遊ぶことすらできないなんて、ゴルゴン侯爵は罪なことをした」
冷たい水を飲みながら、バッツさんは思わず溜息をついていた。
バッツさんにも子どもがいるらしく、親としてゴルゴン侯爵のやったことが許せないのだろう。
アイリーンさんもスカラさんも、バッツさんの意見に深く頷いていた。
「後は、取り調べを待つしかないだろう。その嬢ちゃんをどうするかも決まっているらしいし、大人が対応しなければならない」
「そうね、内務部局と軍の聴取部隊に頑張ってもらわないと。私たちは、私たちでできることをやりましょうね」
ここは、バッツさんとスカラさんがしめて、僕たちは再び訓練に戻ります。
ここからは武器や班ごとに分かれて行動するのですが、僕はアイリーンさんと一緒に新人魔法兵の訓練に立ち会うことになりました。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます