第四百二十二話 王城に到着です

 昼食を食べてから、王城に向かうための準備を行います。

 キチンとした服に着替えて、髪の毛も綺麗にセットしてもらいます。


「ユキちゃんも、綺麗にブラシをかけようね」

「アオン!」


 ユキちゃんも毛並みがピカピカになって、とってもキュートになったね。

 シロちゃんも、拭いてもらってピカピカツルツルになっています。


「おにいさま、着替え終わったよ!」


 クリスちゃんたちも、綺麗な衣装に着替えてきました。

 クリスちゃんは薄いピンクのドレスで、ウェンディさんが黄緑色のドレス。

 アレックスさんは、濃い青の服を着ています。

 髪の毛もとかしてセットして貰っているので、まさに貴族家の子どもって感じです。


「じゃあ、全員馬車に乗りましょうね」

「「「「はーい」」」」


 僕たちを引率してくれるターニャさんは、薄い黄色のドレスを着ています。

 胸にはネックレスを身につけていて、ターニャさんにとっても似合っていますね。

 馬車に乗り込んで、王城に向かいます。

 といっても、フランソワーズ公爵家から王城までは目と鼻の先にあります。

 それだけ、フランソワーズ公爵家が凄い貴族って事なんですね。


「わあ、近くで見るととっても大きいですね!」

「私も何回も行った事があるけど、本当に凄いわね」


 目の前に迫った王城はとても大きくて、今まで見たことのある屋敷より何倍も何十倍も大きかった。

 そんな大きい王城の一角に馬車を停めるところがあり、みんなそこで降りていきます。

 すると、出迎えの侍従さんが僕たちを待っていました。


「フランソワーズ公爵家の皆様方、並びに黒髪の天使様、お待ちしておりました。ご案内いたします」

「ええ、お願いね」


 ターニャさんが代表して侍従さんに答えて、僕たちはターニャさんを先頭にその侍従さんの後をついていきます。

 そして、歩いているうちに中々面白い光景になりました。

 僕がクリスちゃんと手を繋いで、ウェンディさんがユキちゃんと手を繋いでいます。

 そして、アレックスさんがシロちゃんを抱いていました。

 僕は、初めて見る王城の中の光景に感動しっぱなしです。


「わあ、とっても広くて多くの人が歩いていますね。でも、貴族当主っぽい人が多いですね」

「レオ君、良いところに気がついたわね。王城の入り口から暫くは、政務を行うためのスペースになっているのよ。だから、法衣貴族や官僚が多くいるのよ」


 ターニャさんが僕の疑問に答えてくれたけど、確かに護衛の兵は沢山いるけど侍従さんは少ないですね。

 多くの貴族当主や官僚と思わしき人たちが書類を手にして忙しそうにしているけど、これだけの人がいて王都や国の政治が動いているんだね。

 そして、どんどんと歩いていくと、今度はパタリと人が少なくなりました。

 うーん、別のエリアに出たのかな?


「ここは王城でも一番奥の方で、王家の人々が暮らしているのよ。だから、警備は厳しくなるけどその分貴族当主や官僚は滅多な事がなければ訪れない場所なの」


 そっか、ここがいわば王族の人々のお家なんだね。

 侍従さんの数が一気に増えてきて、忙しなく動いています。

 でも僕たちは、更に奥に進んでいきます。

 うーん、一体どこに向かっているのだろうか?

 そして、今度は建物の中から庭のある場所に移動しました。

 お庭に出ちゃったけど、ここはどこだろうか?


「ここは、王城の中庭よ。外から入ることはできない、いわば安全なところなのよ。もちろん警備は厳しく敷かれているわ。何かあったら大変だからね」


 とても綺麗なお庭が広がっていて、バラや多くの木の庭園が広がっています。

 とっても静かな場所だけど、それだけ厳重な警備をしているんだ。

 そして、庭の一角にテーブルと椅子が置かれている箇所があって、そこに青のとても綺麗なドレスを着た女性と侍従が控えていました。

 きっと、あの女性が王妃様ですね。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る