第四百八十四話 蜂の巣を突っついて大騒ぎになっちゃた
軍の施設に着くと、僕たちはブラウニーさん、バッツさんアイリーンさんとともに応接室に案内されました。
そして、簡単にこの後の事を話します。
「バッツ、アイリーン、そしてレオがいる部隊に襲撃をしかけるとは、襲撃者は命知らずだな。新人兵がいるとはいえ、自殺行為だ」
「だよな。まあ、大方相手の予想はついているが、尋問は厳しいものになるだろう。なんせ、完全に軍を敵に回したんだからな」
海軍総司令官のビクターさんも同席していたけど、活動中の軍を襲うことはそれほど大変なことらしいです。
この後、偉い人が集まって緊急会議になるそうです。
因みに、もの凄い量の獲物を倒したので、新人兵にとってはかなりの臨時収入になるそうです。
「レオは、明日王城に来ることになるだろう。商務大臣からも話はあると思うが、もう一回謁見があって良いレベルの事件だ。まあ、奴らもこれで動くことはできなくなるだろう」
ブラウニー伯爵が腕を組んで唸っているけど、殆どの人にとっては良いことな気がします。
そして、部屋に入って三十分が経った頃一気に動きがありました。
「失礼します。皆さま、陛下よりゴルゴン侯爵並びに嫡男への捕縛命令が下されました」
鑑定しなくても何となく分かっていたけど、主犯の捕縛命令が下されました。
陛下も散々注意したのにこんな事件を起こしたから、間違いなく激おこでしょうね。
そして、ビクターさんとブラウニー伯爵が立ち上がりました。
「今回の訓練に、海軍の新人兵も加わっている。総指揮を私が、補佐をブラウニー司令官が取る。事件関係者として、バッツ、アイリーンに加えて、レオ君も同行するように」
「えっ、僕もですか?」
「訓練に参加している中では、貴族当主のレオ君が一番爵位が上だ。それに、間違いなくレオ君が襲撃対象に入っているだろう」
ビクターさんが淀みなく答えていたけど、通常の軍の訓練の中で起きた事故は爵位や地位はそこまで関係ないけど、今回は襲撃事件なので被害にあった人の爵位や地位が関係するそうです。
しかも、海軍総司令官と陸軍第一師団長か協力しての訓練なので、海軍と陸軍の両方に喧嘩を売ったことにもなるそうです。
もしかしたゴルゴン侯爵はちょっとした嫌がらせのつもりだったのかもしれないけど、結果的には蜂の巣を突っついて大騒ぎになっちゃいました。
因みに、シロちゃんは僕についてくるけど、ユキちゃんとジェシカさんは安全の為にフランソワーズ公爵家に帰ります。
「ユキちゃん、ジェシカさんが襲われないようにしっかりと守ってあげるんだよ」
「アオン!」
ユキちゃんもやる気満々でいるけど、軍がガッチリと馬車を護衛をするそうです。
ここで何かあったら、本当に大変なことになります。
そして、僕たちも準備をしてゴルゴン侯爵家に向かいます。
「「「奴をとっ捕まえるぞ!」」」
軍の敷地内に向かうと、屋敷に向かう兵も集まっていました。
滅茶苦茶士気が高いのは、気のせいかな?
「あいつらは、レオが治療した兵だ。前からゴルゴン侯爵一派の邪魔を受けていて、鬱憤が溜まっている。遂に、舞台が整った訳だ」
「「「おう!」」」
ブラウニー伯爵が説明すると、兵は腕を上げていつでも行けるぞと気合を見せていた。
ここまでやる気満々なら、きっと捜査は上手く行きますね。
では、ゴルゴン侯爵家へ出発しましょう。
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