第百五十四話 午後は皆と活動します
「楽しい時間だったぞ。レオが大人だったら、酒と一緒に話を聞きたかったな」
「昼食代を払ってでも、話を聞いた価値は充分にあったな」
「また、話を聞かせてくれ」
昼食も無事に終わったので、僕は一緒にいた冒険者達と別れました。
「私達も、昼食を奢って貰っちゃったわね」
「そうね。でもギルドの食事も美味しかったわ」
「これが冒険者が食べている味なのね」
ナナさん達も、冒険者ギルドの食堂の美味しさに満足してくれたみたいですね。
僕も、冒険者ギルドの食事はとっても美味しくて好きなんだよ。
「さて、午後はどうしようか。ペンション関連の依頼は明日だし、今日は薬草採取でもしましょう」
「そうね。レオ君がポーションを作る時に、薬草が沢山あった方が良いわね。ナナ達も当面の資金は必要だろうしね」
という事で、午後はユリアさんとイリアさんの提案で薬草採取をする事になりました。
ふふふ、薬草採取も頑張れば良いお金になるんだよね。
皆で薬草採取に必要な道具を購入して、防壁の門の近くに移動します。
ごそごそごそ。
「これが薬草よ。葉の裏を見ると、細かい毛が生えているのが特徴ね」
「春になってきたから、沢山生えているわ。他の草と間違えないでね」
「「「はい」」」
ユリアさんとイリアさんの指導を受けながら、ナナさん達も薬草を採っていきます。
「あっ、シロちゃんも薬草採取をするのかな?」
シロちゃんも、器用に触手を使いながら次々と薬草を採って行きます。
防壁の門の目の前なんだけど、ここは誰も薬草を採らないのか沢山の薬草があります。
この分なら、いっぱい採っても問題なさそうね。
僕達は、夕方前までいっぱい薬草を採りました。
そして、冒険者ギルドに着いて薬草を換金したら、ナナさん達はとても驚いていました。
「えっ、こんなに大金になるんですか?」
「そりゃ、単価が安くても量を集めればそれなりの金額にはなるぞ」
薬草の買取金額にユマさんはかなり驚いていたけど、買取の職員は勿論の事、僕とユリアさんとイリアさんもうんうんと頷いていました。
因みに僕はシロちゃんが集めた分だけ換金して、シロちゃん用のお財布にお金を入れておきます。
僕が集めた分は、ポーション作りに使用します。
「薬草採取は、地味でやるやつが少ないんだわ。だから、これからも大量に薬草を採ってきてくれると、非常に助かるぞ」
「「「はい!」」」
まあ、他の人は明日から別荘関連の仕事をやるので、空いた時間にやるしかないですね。
ほくほく顔のナナさん達と一緒に、僕達は宿に帰りました。
「「「「ただいま」」」」
「あら、お帰りなさい」
宿に戻ると、フルールさんが僕達を出迎えてくれました。
良い匂いがフルールさんからしているから、もしかしたら夕食を作っている最中だったのかな?
「初めての事で、皆も疲れたでしょう。お風呂に行って、汗を流してきてスッキリしてね」
フルールさんがニコリとして話をしてくれたけど、この宿にはお風呂があるんだね。
どんなお風呂か、とっても楽しみです。
「ふふ。レオ君は、本当にお風呂が好きよね」
「はい。僕、お風呂が大好きです」
「そうよね。いつも、気持ちいい表情になるもんね」
ユリアさんとイリアさんがニコニコしながら言ってくるけど、セルカーク直轄領の守備隊からずっとお風呂が好きだよね。
「じゃあ、今日は私達と一緒に入ろう!」
「ふふ、お姉さんがキレイキレイしてあげますわ」
「なんだか、弟とお風呂に入ったことを思い出しそうだわ」
ナナさん達も、僕と一緒にお風呂に入る事になりました。
部屋に戻って着替えを持っていって、いざお風呂に入りました。
「ふひぃー」
「本当だ、レオ君がとっても可愛らしくなっているよ」
「とっても愛らしいですわ」
ユマさんとハナさんが、湯船に浸かって気持ちいい声を出している僕を見つめています。
ここのお風呂は大きくて、五人くらいは一度にお風呂に入れるみたいです。
「ほら、肩までお湯に浸かってね」
「はーい」
ナナさんが僕の体を洗ってくれたのはびっくりしたけど、話を聞くと年の離れた弟がいてよく一緒にお風呂に入っていたそうです。
ともあれ、コバルトブルーレイクの街でもお風呂を楽しめそうで、僕はとっても満足です。
「あ、そうだ。ナナさんに、魔法の使い方を教えてあげないと。その、僕で良かったですけど……」
「ええ、お世話になるわ。レオ先生」
ナナさんが、くすっと笑いながら僕の頭を撫でていました。
早速、明日の朝から訓練を始める事になりました。
そういえば、僕が何かを教えるのってこれが初めてだね。
僕も頑張らないと!
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