第五百十七話 結婚式当日
いよいよ結婚式当日となりました。
僕たちは、朝食を食べてから結婚式用に用意した服に着替えていきます。
「オン!」
ユキちゃんも、特製のスカーフをつけて貰ってとってもご機嫌です。
クリスちゃんとかも、ジェシカさんに髪の毛を綺麗に梳いてもらっています。
準備が整ったら、馬車に乗って教会に向かいます。
既にシークレア子爵家とブランフォード子爵家の面々は教会の中に入っていて、それぞれ衣装合わせをしているそうです。
僕たちも結婚式でお手伝いをする予定なので、シスターさんと打ち合わせを行います。
「皆さまに新郎新婦を祝って頂けるなんて、神様もさぞかしお喜びでしょう」
顔見知りの年配のシスターさんが、とってもニコニコしながら僕たちに説明してくれます。
僕とユキちゃん、クリスちゃんとマヤちゃんは新婦が入る時に一緒に入って、カゴに入った花びらをまきます。
ウェンディさんはナディアさんとともに新婦のヴェールを持って入ってきて、その後にリングピローを持ったアレックスさんが入ってきます。
そんなに難しい事ではないので、僕たちも直ぐに理解できました。
マヤちゃんにはシロちゃんとクリスちゃんがつくので、きっと大丈夫でしょう。
「はあはあ、お、お待たせしました……」
ここで、息も荒いナディアさんが教会に駆け込んできました。
既に僕たちが来ていると知って、坂道を走ってきたのですね。
「ナディアさん、僕たちも来たところだから大丈夫ですよ」
「そ、そうなんだけどね」
みんな苦笑しながらナディアさんを見ていたけど、ナディアさんも綺麗な青色のドレスを着ていました。
あと、ナディアさんはスタイル抜群なので、同じ年のウェンディさんがナディアさんを羨ましそうに見ていました。
「ナディアさん、今日は宜しくね」
「あっ、はい。こちらこそ宜しくお願いします」
それでも、二人は仲良く話し始めました。
同じ年っていうのもあるけど、僕の知り合い同士ってのもあるんですよね。
「ふふ、しかしレオ君も少し大きくなっても変わらないね。誰にでも、とっても優しいわ」
「ええ、本当にそうだわ。関わった人みんながレオ君を悪く言わないわ」
そして、二人はいつの間にか僕の話で盛り上がっていました。
その、本人を目の前にして話されるとちょっと恥ずかしいのですけど。
そのうち僕とシロちゃん以外全員で僕の話をし始めちゃったので、僕は教会内をぶらぶらとあるき始めました。
たくさんの綺麗な装飾がされていて、いつも以上にとても華やかです。
祭壇とかも綺麗に掃除されていて、光が反射するほどピカピカです。
そして、教会脇にある部屋の前につきました。
ここは、治療とかした時に休憩で使っていた部屋だよね。
すると、僕の前でガチャッとドアが開きました。
「おお、レオ君がいたのか。すまんな」
「いえ、僕も暇だから歩いていただけですよ」
部屋からは、ビシッとした服に着替えたブランフォード子爵が出てきました。
中に入っていいよってことなので、お邪魔させて頂きます。
「おはようございます。わあ、ライサさんとっても綺麗です!」
「レオ君、おはよう。ふふ、ありがとうね。今日は宜しくね」
ライサさんは、真っ白でとても綺麗なウェディングドレスに着替えていました。
薄いグリーンのロングヘアも綺麗に編み込まれていて、ライサさんのスタイルの良さも加わってとっても似合っています。
シロちゃんも、思わず拍手していますね。
「レオ君には、色々なところで助けてもらったわ。本当にありがとう。これも、神様のお導きですわ」
近くに寄った僕の頭を、ライサさんがにこやかに撫でてくれました。
シークレア子爵領で初めてあって、その後王都でヴァイス子爵の件があったりと、色々あったのは間違いないです。
でも、こうして無事に結婚式が開けて本当に良かったです。
ガチャ。
「あー、おにいさまだけずるいです! 私も花嫁さんみたいです!」
「みたいよー!」
「アオン!」
すると、今度はクリスちゃんたちが控室に入ってきました。
どうも、ブランフォード子爵から僕がここに来たと聞いたみたいですね。
クリスちゃんたちに詰め寄られてわたわたしている僕のことを、ライサさんはあらあらって感じで微笑ましく見ていました。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます