第五百十六話 全ての貴族が到着しました
そして、最後にやってくる貴族もシークレア子爵家の屋敷に到着しました。
馬車二台でやってきたけど、僕もよく知っている人が乗っていました。
僕も、玄関に出てお出迎えします。
「あっ、チェルシーさんとハルカさんです。お久しぶりです」
「ええ、久しぶりね。レオ君の話は、辺境伯領にも届いているわ」
「色々な話が次から次へと伝わるわ。レオ君が元気でやっている証拠ね」
サンダーランド辺境伯夫人のチェルシーさんと、ディフェンダーズ伯爵夫人のハルカさんが馬車から降りてきました。
よくよく考えれば、シークレア子爵領とはご近所っていえるんだよね。
ここでは何なので、応接室に移動して話をします。
応接室には、モニカさんとウェンディさんたちも来ていました。
マイスター師団長さんや、ビクターさんと色々話をしていたみたいですね。
先ず、帝国との状況について話が始まりました。
「現在は何とかにらみ合いの状況を保っておりますが、何かのきっかけで紛争が始まるかもしれません」
「レオ君に数多くの兵を治療して貰ったので、兵力は整っています。ただ、残念ながら紛争がまた発生する可能性は限りなく高いと踏んでおります」
チェルシーさんとハルカさんも、少し気落ちしながら話をしていました。
マイスター師団長さんとビクターさんも、真剣な表情をして話を聞いていました。
僕も、多くの兵が傷つくのは正直嫌だなあ。
「こればかりは、我々だけでなく相手のこともある。一方的に攻撃してくることも充分にありえるだろう。頭の痛い問題だがな」
「もし本格的に紛争が始まったら、我々も直ぐに追加兵を派遣する。状況如何では、レオ君を派遣することもあるだろう」
マイスター師団長さんとビクターさんの意見に、僕も頷きました。
この前の小さな衝突の時にも僕の治療が役に立ったから、何かあったら直ぐに駆けつけるつもりです。
シロちゃんも、ユキちゃんも、ふんすってやる気を見せていました。
「今のうちの、ポーションの増産も行うとしよう。訓練でも多く消費するし、多くあっても全く問題ない」
「あっ、じゃあ、僕もポーションを作って軍に納品しますか?」
「それは助かる。もちろん、正規の取引金額で買い取ろう。レオ君のポーションは品質が良いので、我々としてもとても助かる」
ビクターさんの許可も得たし、王都に戻ったら薬草をいっぱい集めてポーションをたくさん作ろう。
シロちゃんだけでなく、ユキちゃんもポーション作りを手伝ってくれるみたいです。
帝国との話はここまでで、話は何故か僕の事になりました。
「レオ君が騎士爵に叙されたって聞いた時は、『えっ?』って思ったわ。てっきり、準男爵は間違いないと思ったのよ」
「私も、もちろん夫も娘もよ。レオ君の打ち立てた実績なら、準男爵どころか、法衣貴族も普通にあり得ると思うのよ」
チェルシーさんとハルカさんが不思議そうに話をしていると、他の人達もうんうんと激しく同意していました。
というか、流石に法衣貴族はないと思いますよ。
「我々もそう思っていたのだが、あのゴルゴン侯爵一派の件があってな。あと、レオ君の成長に合わせて順々に爵位を上げようという事になったのだよ」
「やっぱり、あの馬鹿どもの件が原因なのね。でも、ほぼ壊滅状態になったのは良い事ね」
「国内の安定を脅かす存在でしたから、壊滅しても影響はないわ。しかも、ここでもレオ君が活躍しているのね」
マイスター師団長さんの説明を聞いて、二人も納得していました。
というか、まだ地方にはゴルゴン侯爵一派の貴族がいるって話だよね。
でも、王都から影響を一層したのはとても大きいことです。
「とりあえず必要な話はこの辺までね。後は、お嬢様たちから王都でのレオ君の暮らしぶり聞こうかしら」
「噂で聞くのと実際に当事者から聞くのとでは、やっぱり実感が違うわ」
「「「任せて!」」」
何故かマヤちゃんも一緒になって手を上げているし、僕はアレックスさんと一緒に思わず苦笑してしまいました。
そして、いつの間にかヒルダさんも参加して凄い盛り上がっちゃいました。
応接室だけでは収まらず、夕食時も僕の王都での生活で盛り上がっていました。
うう、そんな物凄いことはしてないんですよ。
盛り上がるたびにチェルシーさんとハルカさんが凄いねととっても褒めるので、僕は少し恥ずかしくなっちゃいました。
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