第三百六十一話 造船場の掃除をします
新年のお祭りが終わって、翌日からお仕事が始まります。
お祭りでとっても寒い思いをしたけど、何とか風邪をひかずに済みました。
「へーくしゅ! うう、鼻水とくしゃみが止まらないぜ」
「俺もだよ。年には勝てないな」
職人さんの中には昨日の祭りで風邪をひいちゃって、僕とシロちゃんは仕事の合間に治療をしていました。
でも、ふんどし姿で焚き火にあたりながらお酒を飲んでいたのが原因だと思うよ。
因みに、飲み過ぎで治療をした職人さんもちらほらいました。
まあ、お祭りだからみんな飲みすぎちゃったんだね。
因みに、海軍の人達は風邪ひいていないそうです。
普段から体を鍛えている成果ですね。
ジジジジジ。
「えっと、こんな感じですか?」
「ちょっと待ってな。おう、良い感じだ。こんな感じで続けていけ」
「はい!」
倉庫では、スラム街の男の子達への指導が続いていました。
でも良い感じに加工用魔導具を扱えているし、問題なく木材を加工できていると思うよ。
新しいお仕事も、順調に進んでいっているね。
さてと、僕もシロちゃんも職人さんの治療を終えたし、お仕事の続きを再開します。
「あいよ。今日は、新年一発目の仕事だから、少し奮発したよ」
「「「おおー!」」」
昼食は、新年最初ってのもあってとっても豪華な昼食でした。
なんと、ステーキ定食です!
お肉の塊を見て、僕もシロちゃんももちろん職人さんも大興奮です。
さっそく、ステーキ定食を食べ始めました。
「うーん、お肉を食べると肉汁が溢れて美味しいよ!」
「そりゃそうだろう。若奥様からの差し入れだからな」
実は、セルゲイさんの婚約者のブランフォード子爵家のライサさんから、皆さんへとお肉をドーンと差し入れてくれたそうです。
因みに、セルゲイさんのお母さんのイレーナさんがいるのでライサさんは住民からは若奥様と呼ばれていました。
ライサさんの事を、既に街の人は認めているんだよね。
ステーキパワーを補充したところで、午後もお仕事を頑張ります。
シュイーン、スパッ。
「えーっと、あとどのくらい木材を加工きますか?」
「そうだな。木材はいいから鉄板の方にまわってくれ。新年初日だから、木材の入荷量が少ないんだわ」
港も今日から動き始めたので、材料が入ってきていないんだって。
僕とシロちゃんは、ザンギエフさんの指示に従って鉄板加工の方に移動しました。
といっても、鉄板加工の方も今日は材料が少ないんだって。
一時間も作業しないうちに、予定していた鉄板の加工も終わっちゃいました。
「おっ、予定通り終わったな。じゃあ、倉庫内を清掃するぞ」
加工した物をドックに運び終えたら、倉庫内も荷物が少なくなったので掃除をする事にしました。
毎日ある程度掃除をしているのでそこまで汚れていないけど、綺麗にするのは僕もシロちゃんも大賛成です。
みんなで掃除道具をもって、綺麗にし始めました。
倉庫内が綺麗になっていくのって、とっても気持ちが良いものだね。
「おっ、やっているね。あたしらも参加するよ」
ここで、食堂のおばちゃんとダリアさん達も掃除道具を持ってきて掃除を始めました。
毎年新年初日のお仕事の時には、全員で仕事場を綺麗にするのが習わしなんだって。
年末は忙しいので、年始にお掃除をしているそうです。
こうして、夕方まで造船場内の隅々まで綺麗にお掃除をしました。
ゴミがあると事故や怪我の元になるので、職人さんも真剣にお掃除をしていました。
「いやあ、良い仕事をしたな。今夜は美味しい酒が飲めそうだ」
「本当だな。仕事始めの後の酒は美味いからな」
掃除が終わると、職人さんはさっそくお酒の話をしていました。
やる事もちゃんとやったし、美味しいお酒が飲めそうですね。
でも、飲みすぎてまた治療をするのは勘弁ですよ。
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