第三百三十三話 みんなにもお手紙を書こうかな?
その日のお仕事は無事に終わり、ザンギエフさん達と共に宿に戻りました。
因みに、落ち込んでいた職人さんは美味しい昼食を食べたら復活しました。
「ザンちゃん、レオ君、お帰りなさい」
宿に戻ると、オリガさんが笑顔で出迎えてくれました。
あっ、早速手紙の事を聞かないと。
「オリガさん、手紙を書きたいんですけど、手紙ってありますか?」
「うーん、そうね。キチンとした手紙なら頼まないと駄目だわ。明日商会の人が来るから、伝えておくわね」
オリガさんが、ポンと手を合わせながら僕の質問に答えてくれました。
商会にある手紙なら、ちゃんとした手紙だもんね。
「ふふふ、レオ君、もしかして女の子に手紙を書くのかしら?」
「はい、そうです。フランソワーズ公爵家のクリスちゃんが手紙をくれたので、手紙を書いて返信を出すんです」
「あらあら、それは頑張って手紙を書かないといけないわね。手紙も多めに用意しておくわね」
僕の回答を聞いて少し楽しそうなオリガさんだけど、僕もシロちゃんも頑張ってクリスちゃんに手紙を書かないと。
すると、オリガさんがとある事を提案した。
「レオ君、この際だからお世話になった人に手紙を書いてみたらどうかしら? 冒険者ギルドや商人経由で、手紙を依頼して送ることができるわよ」
とっても良い提案に、僕もシロちゃんもやる気になりました。
手紙を書きたい人は沢山いるし、伝えたい事も沢山あります。
とってもワクワクしながら、部屋に戻って準備をしてお風呂に向かいます。
「ねえ、レオ君。クリスちゃんって、どんな子なの? コバルトブルーレイク直轄領で、黒髪の天使様が公爵家のご令嬢を治療した話は有名なのよ」
お風呂でナディアさんが僕の頭を洗ってくれている時に、ナディアさんがクリスちゃんの事を聞いてきました。
ナディアさんも、僕が治療したクリスちゃんに興味津々です。
「クリスちゃんは僕よりも二歳下で、ピンク色の髪のとっても可愛い女の子です。シロちゃんともお友達になりましたよ」
「そっか、レオ君にとっても大切なお友達なんだね」
頭の泡を洗い流して、湯船に浸かりながらナディアさんとお話します。
クリスちゃんは貴族のお嬢様だから、普通の人からすると雲の上の存在なんだって。
僕はナーシャさんからも良くしてもらったし、色々な貴族の人と接しているからあんまり気にはしていないんだよね。
「僕は色々な所で色々な人に助けて貰ったので、元気にやっていますって書かないと」
「レオ君は、各地で良い人に出会えたんだね。レオ君なら噂がどんどんと広がっているだろうけど、直接手紙を貰ったらきっと嬉しいはずだよ」
湯船につかりながら、僕はナディアさんとお話します。
今まで出会った多くの人に、色々な事を書かないとなあ。
そんな事を思いながら、僕はお風呂から出ました。
「いやあ、レオは手紙を交換する相手がいるのにザンギエフ達は良い相手が全くいないなあ」
「相当頑張らないと、宿の跡取りができないぞ」
「うるせえ、分かっているわ!」
そして、夕食時にザンギエフさんが宿のお客さんからからかわれていました。
僕はザンギエフさん達は良い人だと思うから、直ぐに良い人が見つかると思うよ。
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