第二百六十八話 豪華な宿に宿泊します

 昼食後は、準備を整えてから今日宿泊する村へ向かいます。


「村といっても、とても大きいぞ。ディフェンダーズ伯爵領に近くて、交易も盛んだからな」


 おお、大きな村なんだね。

 交易が盛んって事は、色々な物が売っていそうだね。

 今回は急ぎだから買い物をする余裕はないけど、もしゆっくりできる時には買い物もしたいね。

 馬車は、何事もなく進んで行きます。

 動物にも魔物にも何も遭遇しないし、本当に平和な道中ですね。


「守備隊が、訓練を兼ねて定期的に動物や魔物を狩っている。住民が安全に領内を通行できる様にするのも、辺境伯家の大切な仕事だ」


 おお、マシューさんがカッコいい顔をしながら答えていたよ。

 シロちゃんと一緒に、思わず拍手しちゃったよ。

 本当に何もなく、夕方前には僕達は目的地の村に到着しました。


「わあ、男爵領の領都位の大きさがありますよ!」

「ははは、流石にそこまでは大きくないよ。とはいっても、そこそこの人口はあるよ」


 沢山の人が街を行き交っていて、とっても活気があります。

 よく見ると、荷物を運ぶ馬車も沢山あるし、本当に交易が盛んなんだね。

 僕達を乗せた馬車は、ゆっくり進みながら今日泊まる宿の前に到着しました。


 どーん。


「わあ、とっても立派な宿ですね」

「私が泊まるのもあって、警備がしっかりしている宿になるんだよ。辺境伯家御用達の宿だよ」


 四階建てのとても大きな宿で、建物の作りもとっても立派です。

 こんな凄い宿に泊まった事はないよ。

 すると、フレアさんとミシャさんが何かに気がついたみたいです。


「この宿に描かれている紋章って、サンダーランド辺境伯家の物と同じです」

「この宿は、ひょっとしてサンダーランド辺境伯家が運営しているのではないでしょうか?」

「おや、流石です。直ぐに分かってしまいましたか。さあ、中に入りましょう」


 フレアさんとミシャさんって、本当に凄いですね!

 僕とシロちゃんは、紋章の事なんて気が付かなかったよ。

 そして、宿の中に入ってもっとビックリしました。


「「「いらっしゃいませ」」」

「わあ、カッコいい!」


 宿の人が、お揃いの制服を着て僕達を出迎えてくれたよ。

 とってもカッコいいね!


「マシュー様、サンダーランド辺境伯家のお部屋にご案内いたします。お連れの方の部屋もご用意しております」

「うむ、頼んだぞ。ここは、部屋に食事を持ってくるスタイルだ。今日は、ゆっくりと休んでくれ」

「「「はい」」」


 マシューさんとはここで別れて、僕達も宿の人の後を付いて行きます。


 カチャ。


「こちらになります。夕食は後ほどお持ちいたします」

「わあ、とっても広い!」


 お部屋はとっても広くて、食事を食べる食堂にお風呂も付いていました。

 ベッドもとっても大きいね。


「うわあ、流石は高級宿ね。作りが凄いわ」

「私も、ここまでの宿には泊まった事がないわ」


 フレアさんとミシャさんも、思わずビックリするくらいの部屋みたいですね。

 夕食まで時間があるので、先にお風呂に入ります。


「ふぃー」

「レオ君は、本当に気持ちよさそうにお風呂に入るわね」

「レオ君を見てるこっちも気持ちよくなりそうね」


 とっても気持ちいいお風呂なので、思わず声が出ちゃいました。

 ミシャさんのお家のお風呂もとっても大きいけど、旅先でのお風呂もとっても気持ちいいね。

 お風呂の後は、お待ちかねの夕食タイムです。


「では、ごゆっくりどうぞ」


 宿の人が、とっても豪華な料理を運んできたよ。

 お肉もお野菜もとっても美味しそうだし、パンからも良い匂いがしているよ。


「わあ、とっても美味しいです。僕にも簡単に食べられる様に細かく切ってあります」

「このソースは凄く良い味だね。色々な野菜と一緒に煮込んであるわ」

「お肉も良い物を使っているわ。クセもなくて、とても食べやすいわ」


 フレアさんもマシューさんも大絶賛の、とっても美味しい料理だよ。

 勿論、僕もシロちゃんも大満足です。

 全部、綺麗に食べちゃいました。


 ぽすっ。


「わあ、ベッドもふかふかです!」

「ふふ、レオ君が年頃の子どもみたいにはしゃいでいるわ」

「本当ね。とっても可愛いわ」


 僕とシロちゃんは、思わず大きなベッドにダイブしちゃいました。

 とっても柔らかくて気持ちよくて、直ぐにでも寝ちゃいそうだよ。


「すー、すー」

「あらあら、あっという間に寝ちゃったね」

「何だかんだいって、疲れちゃったんだね」


 僕は、いつの間にかシロちゃんと一緒に寝ちゃっていました。

 明日も朝早いし現地に到着するし、僕も治療を頑張らないとね。

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