第五百三十一話 小さな男爵領に到着です
朝早く起きて、シークレア子爵領に向かう準備を進めます。
今日は、何もなければ前にとっても美味しい料理が出てきた村に到着する予定です。
「領主様、一晩泊めて頂きありがとうございました」
「いやいや、これくらいしかできなくて悪いな。道中気をつけてくれ」
「また、帰りに無事に会いましょうね」
アイリーンさんが代表して挨拶をして、セルゲイさんとライサさんに見送られながら僕たちは馬車に乗って屋敷を後にしました。
最初に、冒険者ギルドに行ってたくさんの薬草を受け取らないと。
屋敷から冒険者ギルドはとても近いので、あっという間に到着しました。
冒険者ギルドは、早朝にも関わらずたくさんの冒険者で賑わっていました。
引き取り所で手続きを進めると、僕たちの背後から声をかける人がいました。
「ふふ、レオ君ちょっと久しぶりね」
「アオン!」
いきなり声をかけられて振り返ると、ニコニコ顔のオリガさんがいました。
ユキちゃんは、匂いで気がついたみたいです。
手には、大きな包みを持っていますね。
「道中食べてもらおうと、お弁当を用意したのよ。魔法袋やアイテムボックスに入れておけば腐らないから、大丈夫だと思ってね」
「わあ、ありがとうございます!」
「アオン」
「ふふ、良いのよ。このくらいしかできないけど、頑張ってね」
僕はオリガさんを見送りながら、大きな包みを魔法袋に入れました。
そして、シロちゃんが大量の薬草をアイテムボックスにしまっている際に、アイリーンさんが真顔でポツリと一言。
「あの人がオリガさんなのね。気配が全く感じられなかったわ」
うん、その気持ちは僕も良く分かります。
声を掛けられるまで、近くに来ているなんて全然分からなかったよ。
なにはともあれ、準備ができたので僕たちは再び馬車に乗って出発します。
「もう多分、あと二泊すればサンダーランド辺境伯領に到着できるかもしれません」
「私も、そう思うわ。ディフェンダーズ伯爵家の屋敷には寄らないと駄目だけど、何事もなく進んでいるわ」
馬車内でアイリーンさんと話をしたけど、たまにオオカミとかが出る程度で特に問題は起きていなかった。
一ヶ月前にシークレア子爵領での結婚式が行われる際に行われた、害獣駆除や兵の巡回の効果がまだ出ていた。
途中すれ違う馬車便も、とても平和そうですね。
それに、たまたまかもしれないけど天気がとても良かった。
前にシークレア子爵領に向かった時は、大雨が降った日もあったね。
「わあ、これは美味しいな。トマトとチーズのサンドイッチだ!」
「本当に美味しいわ。あのオリガさんは、腕前だけじゃなくて料理も上手なんですね」
馬車内でオリガさんが作ってくれたサンドイッチをみんなで食べるけど、このサンドイッチはオリガさんではなくユリスさんが作ったのかもしれないね。
いずれにせよ、とっても美味しい昼食になりました。
そして、無事に今日泊まる村に到着しました。
宿をとって、みんなで一階の食堂に向かいました。
すると、メニューに凄いことが書いてありました。
「わあ、黒髪の天使様も大絶賛のロールキャベツって書いてあるわ!」
マイアさんが思わず叫んじゃったけど、確かにメニューにそんな記述がしてあった。
そういえば、前にこの村に寄った時にロールキャベツを食べたっけ。
確かに、野菜たっぷりでとても美味しかったけどね。
「じゃあ、せっかくレオ君お勧めなのだから、私もロールキャベツを頼もうかしら」
アイリーンさんはロールキャベツにするみたいだけど、せっかくなのでみんなで別々の料理を注文して料理を交換することにしました。
「わあ、とても美味しいわ。レオ君が絶賛するだけあるわ」
「野菜炒めも、野菜が新鮮だからとても美味しいわ」
「どんな料理も美味しいなんて、本当に当たりだわ」
「レオ君が好きなトマトパスタも美味しいわね」
どの料理も美味しくて、全員大満足でした。
この分だと、また僕たちが大満足って表記がついちゃうかもね。
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