第四百七十六話 段々と状況が良くなってきました
三日目になると、治療をする人の数も段々と少なくなってきました。
食料も沢山配布したり配給したりしたので、炊き出しに並ぶ人の数も昨日より少なくなった印象です。
そして、今日は朝から炊き出しの準備ができるので、スムーズに炊き出しも無料治療も行なえています。
その為、お昼前に一旦王都に戻って追加の食料を貰ってくる事にしました。
「ユキちゃん、ジェシカさん、宜しくお願いしますね」
「アオン!」
「こちらはお任せ下さいませ」
僕とシロちゃんは馬車に乗って、お留守番のユキちゃんとジェシカさんに窓から手を振りました。
殆ど炊き出しがメインになってきたので、ユキちゃん一匹だけでも治療は十分に対応できます。
道中は何事もなく進み、あっという間に王城に到着しました。
すると、陛下が僕に話があるそうなので、会議室に呼ばれました。
ギルバートさんと、チャーリーさんも会議室に同席していました。
「レオ、昨日は大馬鹿者が邪魔をしたみたいだな。流石に、余も激怒したぞ」
陛下が苦笑しながら話してくれたけど、ギルバートさん曰く周りの人が止めなければ自ら軍を率いてニューラ男爵家に乗り込むつもりだったそうです。
その代わりに、軍務大臣のブランドルさんがニューラ男爵の屋敷に乗り込んだそうです。
更に、ゴルゴン侯爵一派の屋敷に監視をつけると、呼び出した際に陛下が宣言したという。
これには、ゴルゴン侯爵も大人しくしないといけないと思ったみたいです。
というか、ここまでしないと大人しくしないんだ。
「ゴルゴン侯爵も自分たちに飛び火するのを警戒しているみたいだが、どうも今回の不正な重税で得た一部の資金がゴルゴン侯爵に流れているみたいだ。ポール男爵領の状態が良くなったら、本格的に捜査に着手する」
「僕も、謁見での件もあったのでゴルゴン侯爵はおかしいと思っています。あと、ポール男爵領は今後どうなりますか?」
「暫くは、代官による直接統治だ。ポール男爵は、統治失敗で重罪に問われるだろう」
何だか、ゴルゴン侯爵一派は本当にグダグダですね。
でも、絶対に大人しくしているわけがないので、暫く警戒しないと駄目ですね。
話はこれで終わったので、食料を僕の魔法袋とシロちゃんのアイテムボックスに入れて、ちょっとだけフランソワーズ公爵家に寄ってからポール男爵領に戻りました。
フランソワーズ公爵家に寄った時、クリスちゃんは僕に頑張ってと手を振って見送ってくれました。
「商人も動き出したし、もう少ししたら炊き出しも撤収できるぞ」
教会に戻ると、ブラウニー伯爵が僕を待っていました。
炊き出しも、あと二日で撤収になりました。
よく見ると、住民にも笑顔が少しずつ戻ってきました。
重税で取りすぎたお金の対応は偉い人たちが進めているそうなので、そこはお任せですね。
軍も証拠品の押収をほぼ終えたそうだけど、治安維持の為に当分はポール男爵領に残るそうです。
「しかし、ここまで酷い統治をしていた貴族は見たことがない。ゴルゴン侯爵一派の領地に、緊急査察が入るのも時間の問題だな」
ブラウニー伯爵が溜息つきながら愚痴をこぼしていたけど、軍はまだまだ忙しそうですね。
ブラウニー伯爵はポール男爵の屋敷に戻っていき、僕も炊き出しで作った料理を配りました。
こうして、今日も一日無事に終わりました。
「今日こそ、私がレオ様のお世話をしますわ」
「いいえ、私がレオ様のお世話をするんです」
「私がお世話をしますよ」
そして、今夜も侍従による誰が僕の世話をするかの争いが繰り広げられました。
でも、王都を往復したり会議に出たりしたので、またもや眠くなっちゃいました。
更に、ユキちゃんも僕に抱きついて寝ちゃいました。
残念ながら、今日も僕も寝ちゃいそうでお世話は出来なさそうです。
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