第四百七十七話 王都への帰還
そして、五日目になると物流も改善して、炊き出しに並ぶ人も激減しました。
更に、無料治療に並ぶ人もほぼいなくなりました。
当面軍は残るみたいで、明日には代わりの代官も派遣されるそうです。
僕たちは、お昼を食べたら王都に帰る事になりました。
何だか、とっても長く感じちゃったね。
「レオがいてくれて、本当に助かった。治療をするだけでも、住民感情はかなり違ってくる」
「あっ、それは僕も感じました。段々と、みんなが笑顔になっていきました」
「衣食住が整えば、自然と住民も落ち着くものだ。逆を言うと、このポール男爵領はそれが整っていなかったから崩壊寸前だったんだ」
教会に顔を見せたブラウニー伯爵がしみじみと語っていたけど、僕がポール男爵領に来た当初はとても酷かったもんね。
まだまだ完全じゃないけど、僕も一安心です。
こうして、僕たちは昼食を食べてから王都に戻りました。
「レオ君、おかえりなさい」
「おにいさま、おかえりなさい!」
三時前にはフランソワーズ公爵家に到着し、ターニャさんとクリスちゃんが僕たちを出迎えてくれました。
でも、ユキちゃんは馬車旅で疲れちゃったのでジェシカさんに抱っこされながらお昼寝中です。
そして、僕も疲れから眠くなっていました。
「レオ君も、疲れたでしょうからお昼寝をしてきなさいな。ゆっくり休むのよ」
「おにいさま、お休みなさい」
僕たちは、ターニャさんとクリスちゃんに手を振ってから部屋に戻りました。
そして、ジェシカさんがユキちゃんをベッドに入れてくれて、僕もゴソゴソと潜り込みました。
「それではレオ様、お休みなさいませ」
僕はあっという間に眠ってしまい、布団をかけ直してくれたジェシカさんの声も分かりませんでした。
因みに、シロちゃんはまだまだ元気いっぱいなので、クリスちゃんの側にいました。
「レオ君、陛下がご苦労と言っていた。明日は、ゆっくり休むと良いよ」
夕食時に帰ってきたギルバートさんが色々と言っていたけど、明日は冒険者活動もお休みです。
一緒について来てくれた侍従も、ゆっくりするそうです。
ゴルゴン侯爵一派が何をするか分からないので、屋敷にいるのが必須条件です。
陛下にもの凄く怒られたらしいし、ゴルゴン侯爵一派もこのまま大人しくして欲しいなあ。
こうして、たまたま僕が王都防壁の門で助けた親子を端としたポール男爵領の事件はひとまず落ち着きを取り戻しました。
因みに、王都にあるポール男爵家の屋敷からも、大量の金品が押収されたそうです。
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