第三百三十七話 とっても美味しい昼食です
僕のオリジナルスタンプができるのはもう少し先なので、ユリスさんと宿に戻って他の手紙を書きます。
セルカーク直轄領にアマード子爵領、コバルトブルーレイク直轄領には手紙を書かないと駄目だね。
サンダーランド辺境伯領と、ディフェンダーズ伯爵領にも、手紙を出しておいた方がいいね。
「えっと、セルカーク直轄領は守備隊、冒険者ギルド、薬屋さんに教会っと。師団長さんと聖騎士団の副団長さんは、王都のお家に送った方が良さそうだね」
宛先を封筒に書いて、手紙を送りたい人に書いていきます。
セレンお姉さん、ナナリーお姉さん、カエラお姉さんには絶対に手紙を書かないと。
アマード子爵領では子爵家の皆さんに加えて、工房の皆さんや教会の人々、冒険者ギルドや薬屋さんにも送らないと。
コバルトブルーレイク直轄領は、代官のシェファードさんに、冒険者ギルドと魔導具工房、薬屋さんにも書かないとね。
何だか、手紙を書きたい人がいっぱいになっちゃったよ。
「シロちゃんは、コバルトブルーレイク直轄領から僕と一緒だったもんね。セルカーク直轄領もアマード子爵領もとても良い人ばかりだったから、いつかシロちゃんにも会わせてあげたいな」
何だか手紙を書こうとすると、今まで会った人にシロちゃんにも会わせたいって思っちゃうよ。
シロちゃんはとっても凄いスライムだし、きっとみんなも直ぐに受け入れてくれるはずです。
そんな事を思いながら、手紙を書き進めて行きます。
こんこん。
「レオ君、昼食ができたよ」
結構書き進めた所で、ナディアさんがドア越しに声をかけてくれた。
今日の昼食は、ザンギエフさんとダリアさんたちの合作だからとっても楽しみです。
僕とシロちゃんは、一旦手紙とペンをしまって食堂に向かいます。
「わあ、良い匂いです!」
「いい出来だと思うわ。沢山食べてね」
宿にいる多くの人が外に出ていていないので、昼食は宿の経営者家族、僕、ダリアさん達だけです。
ダリアさんが良い表情で言っているので、とってもいい出来なんだと思います。
実際に、とても良い匂いだもんね。
じゃあ、さっそくいただきましょう。
「もぐもぐ。わあ、とっても美味しいです! お肉もお野菜も良い味しています」
ただの野菜炒めなのに、とっても美味しいよ。
僕だけでなく、シロちゃんも美味しいってアピールしています。
「よかったわ。美味しいって食べてくれるのが一番嬉しいわ」
ダリアさん達も、料理を頬張る僕たちを見てから料理を食べ始めました。
一方で、ユリスさんは料理を分析するように味わっていた。
「うむ、単純な料理ほど味の仕上げは難しい。もう少し頑張れは、人前に出せる料理になるだろう」
「「「「はい、頑張ります!」」」」
ユリスさん的には、合格まであと少しらしいです。
でも、目標ができれば頑張れるって感じですね。
「お洗濯とかも、まだまだザンちゃんとかの方が上手だわ。冒険者活動の中にはこういう生活環境に関わるものも数多くあるから、更に経験を積んでいきましょう」
「「「「ありがとうございます」」」」
お洗濯も、ザンギエフさん達はとっても上手なんだって。
ダリアさん達がザンギエフさん達を越えるのは、まだまだ先になりそうです。
そして、オリガさんは僕に振り向きました。
「レオ君、シロちゃん、今度時間があったらダリアちゃん達に薬草採取を教えてあげてね。レオ君も二年は冒険者活動しているもんね」
おお、僕とシロちゃんにもオリガさんからお願いが来たよ。
頑張って、ダリアさん達に薬草の採り方を教えてあげないと。
こうして、とっても美味しい昼食を食べて元気が出たので、僕もシロちゃんも午後のお手紙を書くのも頑張る事が出来ました。
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