第三百四話 シークレア子爵領の冒険者ギルドに到着
ざわざわざわ。
「わあ、体格が良い人が多いですね」
「シークレア子爵領は力仕事が多いからな。その分力自慢が多いぞ」
街を歩いていると、屈強な男の人が多い気がするよ。
冒険者ギルドにどんな依頼があるか、何だか楽しみだね。
「市場はお魚だけでなく、野菜とかも沢山ありますね」
「街道だけでなく、船便を使って各地から色々なものが集まる。ここから、王都などに荷物を運ぶ事もあるぞ」
市場にも沢山の品物が並んでいて、多くの人が買い物をしていました。
シークレア子爵領は、とっても活気のある街なんだね。
そんな活気ある街を横目に、無事に冒険者ギルドに到着です。
「もうお昼だから、冒険者の数は少ないですね」
「まあな。それに、シークレア子爵領では長期依頼を受ける奴も多いぞ」
シークレア子爵領の冒険者ギルドは二階建てで、他の冒険者ギルドと大差ない作りでした。
冒険者の数もまばらで、殆どが特に依頼を受けない人でした。
そんな冒険者ギルドの中を、僕達は受付に向かって歩きました。
「到着手続きをお願いします。あと、ギルドマスター宛の手紙も預かっています」
「では、冒険者カードと手紙を預かります。少々お待ちください」
受付のお姉さんが、僕から受け取った手紙を別の人に渡しました。
その間に、ザンギエフさん達の分も含めて受付のお姉さんが到着の手続きをしてくれました。
「はい、皆さんの手続きが完了しました。冒険者カードをお返しします」
受付のお姉さんが、僕達に冒険者カードを渡してきました。
僕達が冒険者カードを受け取ったタイミングで、受付の奥から一人の女性がやってきました。
中年女性って感じで短めの青い髪をしていて、背は高くないけどちょっと恰幅の良い人だね。
「ギルドマスター、レオを連れてきたぞ」
「その様だね。ザンギエフも、配慮ってものが出来るようになったのね」
バシン、バシン!
「痛っ、ギルドマスター痛いよ!」
僕達の所にやってきた中年女性が、シークレア子爵領の冒険者ギルドマスターなんだ。
ギルドマスターが、ザンギエフさんの背中を豪快に叩いていたよ。
でも、ギルドマスターの話を聞く限り、ザンギエフさんを昔から知っている人なんだ。
「初めまして、レオです。このスライムは、シロちゃんです」
「坊やがレオね。あたしはリュナ、この冒険者ギルドのギルドマスターだ。ザンギエフとは違って、とても礼儀正しいね」
リュナさんと握手をするけど、とっても豪快な人だね。
それに、とっても力強い女性だ。
「話があるから、あたしの執務室についておいで」
「「「「へーい」」」」
「しっかりと返事をする!」
「「「「はい!」」」」
リュナさんは、肝っ玉母さんって感じだね。
ザンギエフさん達もタジタジです。
そんな皆の後を、僕とシロちゃんもついていきます。
執務室に着くと、ソファーに座って早速話を始めます。
「レオに頼まれているのは、軍船の造船所での作業だ。魔法でどんどんと木を切っていけばいい。ただし、かなりの数があるからな。後は治療だ。こいつらみたいな脳筋ばかりだから、とにかく怪我人が多いんだよ」
「はい、分かりました。頑張ってお仕事します!」
「うんうん、レオはとても良い子だ。強面連中を相手にしても大丈夫みたいだし、問題なさそうだな」
このあたりは、サンダーランド辺境伯でボーガン様から聞いた話と一致しているし、特に問題ありません。
強面でも、良い人なら全然問題ないよ。
「ザンギエフ、この後時間はあるか?」
「大丈夫だ。家に帰るだけだからな」
「よし、ではお館様の屋敷に移動する。とある件で、レオだけでなくザンギエフ達にも関係する話をするよ」
リュナさんはそういうと、ソファーから立ち上がりました。
僕だけでなくザンギエフさんにも関係する話って、一体なんだろう?
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