第三百十五話 みんなやる気満々

 昼食後の午後の仕事も、とっても順調そのものです。

 何も問題は起きていないし、まだまだ加工しないといけない木材は沢山あります。

 シロちゃんは、時々鉄板加工の方に行っています。

 鉄板加工しながら、怪我人の治療をしています。


「そういえば、鉄板ってどこから仕入れているんですか?」

「隣の領地で鉄製品を作っているから、そこから運んでくるぞ。運ぶのは船便だけどな」


 この領地に溶鉱炉みたいな物はなかったから、ちょっと不思議に思ったんだよね。

 船で運べるのは、港がある領地同士の利点ですね。


「因みに、木材も船で運んでくるぞ。もちろん陸路からも運ぶが、輸送力は圧倒的だな」


 おお、木材も船で運んでくるんだね。

 まだゆっくりと港を見れていないので、時間がある時にどんな船が港に来ているか見てみよう。

 こうして、午後のお仕事も無事に終わりました。


「じゃあ、また明日来ます」

「おう、気を付けて帰れよ」


 僕とザンギエフさん達は、職人さんに挨拶して帰路につきました。


「あいよ、昼の余りで悪いけど家族に食べさせてやりな」

「あっ、ありがとう……」


 あっ、食堂のおばちゃんがちょっと問題になっている子ども達に昼食の残りを渡してあげていたよ。

 キチンとお礼が言える辺り、本当はとっても良い子なんだね。


「それだけに、荒海一家のやり方が汚いな。ギタンギタンにしてやらないと」

「俺らの街の連中に手を出しているんだからな。俺らも奴らをぶっ飛ばしてだろう」

「俺らの街に手を出した事を後悔させてやらないと。ふふふ、合法的に暴れられるな」


 あっ、食堂のおばちゃんにお礼を言った子ども達を見て、ザンギエフさん達に火がついちゃったよ。

 僕もシロちゃんも内心めちゃくちゃ怒っているし、僕たちも荒海一家にはぎゃふんって言わせたいよ。

 子ども達が帰ったタイミングで、今度は食堂のおばちゃんが話しかけてきました。


「どうも、あの子達の母親が具合が悪いみたいよ。でも、全員同じ症状らしいし、何か引っかかるんだよね」

「うーん、今は風邪が流行っている訳でもないし、確かにおかしいですね」

「後で旦那に言っておくよ。黒髪の天使様も、ちょっと怪しんでいたってね」


 食堂のおばちゃんも、腕を組んで何かあったって思っているみたいだね。

 工場長経由で色々な所に連絡が行くはずだから、きっと他の人達も動いてくれるはずだよ。

 こうして、僕たちは宿に帰って行きました。


「ふーん、確かに怪しいわね。レオ君、回復魔法は使えるよね?」

「はい、シロちゃんも回復魔法は使えますし、僕とシロちゃんが一緒に魔法を使えば体の欠損も治せます」

「うん、分かったわ。念の為に、毒消しポーションも用意してね」


 宿に帰ってオリガさんに話をしたら、まるで獲物を狙う様な目に変わったよ。

 うん、ちょっと怖い。

 でも、オリガさんの言う通りちょっと怪しいから、この後でポーションも毒消しポーションも沢山作っておかないと。


「お前たちも、いざとなったら直ぐに動ける様にしておけ。この街に蔓延る馬鹿者を、一人残らず叩き潰さないとな」

「「「「もちろんだ!」」」」


 ユリスさんに言われて、ザンギエフさん達も気合を入れた声を上げていました。

 どうも荒海一家は、この街に住む人々に喧嘩を売った形になったね。

 さて、夕食も食べたし僕とシロちゃんは部屋に戻ってポーションと毒消しポーションを作ろうっと。


 ゴソゴソゴソ。


「じゃあ、シロちゃんはポーション作りをお願いできるかな? 僕は毒消しポーションを作るね」


 僕とシロちゃんは、手分けして作業に取り掛かりました。

 解毒する魔法はあるんだけど、回復魔法と比べて難しいんだよね。

 頑張って訓練をして、新しい魔法を覚えないとね。

 こうして、僕とシロちゃんは沢山のポーションと毒消しポーションを沢山作りました。

 準備万端だし、少しくらいトラブルが起きても大丈夫だね。

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