第三百四十六話 海の家に到着です

 翌週、僕たちは予定通りに海水浴に向かいます。

 ザンギエフさん達は早朝から急いで洗濯物をして、庭に干していました。

 出かける日でも、キッチリとお仕事をしているんですね。

 因みに、ユリスさんとオリガさんは宿に残るそうですが、宿に泊まっている人も海水浴に行ったりお出かけしたりしているそうです。


「待たせたな。じゃあ、行くか」


 ザンギエフさん達が海パンとタンクトップという姿で出てきました。

 ナディアさんとダリアさん達も、水着の上に服を着ています。

 僕は、海水浴場で着替えると思って、普通に服を着ています。


「あっ、レオに行ってなかったな。荷物になるから、持っていくのは最低限だ。そもそもこの街の奴は、海が近いのもあるから家で水着に着替えて行っちまうぞ」

「えー! そうなんですね。僕も水着に着替えます」

「あー、レオは大丈夫だろう。魔法袋があるんだし、荷物を持つ考えがないからな」


 他の人も、タオルやサイフの入った袋しか持っていないみたいです。

 僕は魔法袋があるし、万が一の時はシロちゃんのアイテムボックスに入れてもらおう。

 ということで、さっそく海水浴場に向かって出発です。

 宿から、歩いて十五分のところに海水浴場があるそうです。

 今日はとても良い天気だけど、暑くなりそうです。


「いやあ、あっちーな。風が弱いから波はなさそうだけど、その分暑さが際立つな」

「そうですね。でも、その分水の冷たさが気持ちいいかもしれませんね」


 ザンギエフさんとダリアさんが仲良く話をしているけど、みんな海水浴がとっても楽しみみたいですね。

 僕もシロちゃんも、ナディアさんと一緒に手を繋ぎながら歩いているけど、海が見えてくると何だかテンションが上がってきたよ。

 そして、海水浴場に到着です。


「わあ、人がいっぱいですね! それに、お店も沢山出ています」

「夏季限定の海の家だ。食べ物だったり水着も売っているぞ」


 海水浴場は、沢山の人でいっぱいです。

 海の家にも沢山の人が入っていて、とっても賑わっています。

 僕たちは、その中の一つの海の家に入っていきます。


「おお、ザンギエフか。ナディア以外の女性が、例のお嬢ちゃんか。黒髪の魔術師も一緒だな」

「おっちゃん、今年も世話になるぞ。うちの宿に泊まっている面々だ」


 ザンギエフさんはこの海の家を経営しているおじさんと顔見知りらしく、おじさんも僕の事もダリアさん達の事も知っていました。

 とはいえおじさんも忙しそうなので、僕たちは足早に更衣室に移動していきます。


「はいはい、レオ君はこっちだよ」

「えっ、あっ!」


 僕はザンギエフさん達が向かった男子更衣室についていこうとしたら、ナディアさんに手を引かれて女子更衣室に連れて行かれちゃいました。


「レオ君は、むさ苦しいお兄ちゃんのところに行かなくて良いんだよ。七歳までは、女子更衣室を使っても問題ないし」

「わぶっ」


 ナディアさんは僕にそう言うと、僕の上着を脱がし始めました。

 僕が男子更衣室を使う為には、もう少し大きくならないと駄目なのかな。


「ふふ、レオ君はまだ私達に甘えて良いんですよ。両親に頼れないでいるんですからね」


 そう言うと、今度はダリアさんが僕のズボンとパンツを脱がしてきました。

 あっという間に、僕はすっぽんぽんです。

 僕は魔法袋から水着を取り出して、いそいそと履きました。

 ナディアさん達は、着ている服を脱げば完了です。


「わあ、皆さん髪の色に合わせた水着にしたんですね。とっても可愛いです」


 皆さん、スタイル抜群なのも合わさってとっても水着が似合っています。

 どうも、ビキニという水着みたいです。

 シロちゃんも、僕の頭の上で拍手をしていました。


「レオ君は、素直に水着を褒めてくれるんだよね。問題は、お兄ちゃんが素直に褒めてくれるかだなあ……」

「「「「あっ、あはは……」」」」


 ナディアさんの呟きに、ダリアさん達は苦笑していました。

 ザンギエフさん達は、褒める時は褒めると思うけどなあと思いながら、みんなで女子更衣室を後にしました。

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