第二百七十五話 軍の施設で治療を行います
今日は、軍の施設に行って治療を行います。
マゼラン様とマシューさんも一緒にくる事になったので、馬車二台に乗車します。
「街から馬車で一時間の所に、今回治療する軍の施設がある。管轄は国軍だが、伯爵領にあるので伯爵家とも繋がりが深いのだよ」
今回は前線基地ではなくて、郊外にある軍の駐屯地なんだって。
国を守る為に、国軍と伯爵家が協力しているんだって。
前線基地は、駐屯地から更に一時間先の場所にあるそうです。
今回は食料や水とかも運ぶので、結構な大部隊です。
といっても道中はトラブルもなく、無事に軍の駐屯地に到着しました。
「マンデラ様、マシュー様、お待ちしておりました」
僕達を出迎えてくれたのは、この駐屯地の責任者のゲーデさんです。
頭は短髪で背がとても高く、着ている服が破れちゃうんじゃないかってくらい筋肉モリモリです。
ゲーデさんはマンデラ様とマシューさんと握手していたけど、マンデラ様とマシューさんを見下ろすくらいですね。
また、食料などは直ぐに兵が所定の場所に運んでいきました。
連携プレーで、あっという間に馬車に積まれていた食料がなくなりました。
僕達は、駐屯地内にある建物の中に入り、応接室に案内されました。
「この度は、多くの怪我人を治療して頂き本当に感謝申し上げる。前線での小競り合いが頻発しており、どうしても怪我人が増えております」
「帝国側は、恐らく王国の出方を見ているのでしょう。とはいえ、この状況が続くのはあまり良くないですな」
うーん、ゲーデさん曰く帝国も本気出して攻撃はしていないんだ。
でも、王国からしたら大迷惑だよね。
「レオ君のお陰で、戦力がかなり持ち直せました。本当に感謝としか言いようがない」
「辺境伯領でも、多数の兵の治療に尽力してくれた。レオ君の治癒師としての力は、本当に凄いよ」
「そうだな。伯爵領でも、手際よく治療をしていた。凄腕の魔法使いってのは、我々の想像を超える事を簡単にやってのけてしまうと実感したよ」
「あ、あのあの。僕は、目の前で困っている人を治療しただけなんで、そんなに凄いことはしていないですよ」
あれ?
何故かゲーデさん、マシューさん、マンデラ様の順に褒められちゃったよ。
同席していた他の人も僕の事を凄いって褒めてくれていたけど、いきなり褒められるとちょっと戸惑っちゃうね。
話はこれくらいにして、僕達は駐屯地の医務室に向かいました。
「あれ? 思ったよりも、ベッドにいる人は少ないですね」
「駐屯地よりも治療院の方が設備が整っていているので、馬車で運べる怪我人は治療院に送ったのだよ」
医務室のベッドは半分くらい空いていて、ベッドに寝ている人も怪我をしたばっかりの人みたいですね。
ゲーデさんのいう通り、直ぐ近くに治療院があるのが大きいのかもしれません。
では、早速治療を始めます。
今日も、シロちゃんはヒカリさんと一緒に治療を行います。
シュイン、ぴかー!
「はい、これで怪我も良くなりましたよ」
「こりゃスゲーな。切り傷があっという間に塞がったぞ」
駐屯地では相手からの剣で怪我をした人が多いので、切り傷や打撲を負っている人が沢山いました。
でも、僕にとってはあまり傷の原因は関係なく治療しちゃうので、どんどんと治療を進めていきます。
「はい、これでどうでしょうか?」
「おお、とっても良くなりました。ありがとうございます」
シロちゃんとヒカリさんのコンビも、次々と怪我人を治療していきます。
駐屯地では厳つい兵が多いからヒカリさんが苦手意識を持つかなと思ったけど、治療院でも兵を治療していたので特にそんなことはありませんでした。
そして、一時間も経たないうちに医務室にいた怪我人の治療を終えました。
その間に、フレアさんとミシャさんが医務室を綺麗に掃除してくれました。
やっぱり清潔なのが一番ですね。
「これは凄い、あっという間に治療を終えている。ヒカリ様も、堂々としてらっしゃいますな」
「ええ、ここ数日の治療院での治療経験がヒカリを大きく成長させました。これからも、現地に赴いて教育を行ないますわ」
僕達があっという間に治療を終えちゃったのもあるけど、ゲーデさんとしてはヒカリさんがてきぱきと治療を進めている事の意味合いが大きかったみたいです。
ハルカさんの教育方針もあるだろうし、これからもヒカリさんは頑張って教育を受けるでしょうね。
「やはり、レオ君に来てもらって正解だった。治療以上の効果が出ている」
「ええ、辺境伯領でもとても良い効果が出ております。私も、レオ君を見てより一層頑張ろうと思いました」
マンデラ様とマシューさんが、満足そうにヒカリさんを見つめていました。
いずれにせよ、今回の治療は大成功ですね。
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