第五百四十二話 シロちゃんの反撃と戦闘準備
しかし、残念なことに三日間連続で夜襲が起きてしまった。
その度に、僕はシロちゃんに起こされてみんなを起こしていた。
「ふふふ、コイツラの目的はともかくとして俺らを寝不足にすることには成功しているな」
「ああ、全くだよ。こんなネズミが連日忍び込もうとしているなんてな。煩くてたまらないぞ」
何だか、兵もとても不機嫌になっていますね。
睡眠不足は部隊の士気にも影響するので、ハーデスさんも少し困っていました。
そして、寝不足で困っていたのは僕たちだけではありません。
シロちゃんも、かなり頭にきていたみたいです。
ちょっと外に行くと言って、闇夜に消えて行きました。
でも、三十分後には普通に、いやルンルンしながら帰ってきました。
何があったのかなと思っていたら、シロちゃんが戦利品を見せると言ってきました。
シュッ、ドサッ!
「「「な、なんじゃこりゃー!」」」
なんと、シロちゃんのアイテムボックスから大量の武器がでてきたのです。
既に物資は全部引き渡していたので、これだけの武器はもうなかったはず。
すると、兵が武器を手にしながら何かに気が付きました。
「こいつは、帝国の武器だな。もしかして、帝国の陣地に忍び込んだのか?」
兵の質問に、シロちゃんは正解だとふるふると震えていました。
というか、シロちゃん帝国の陣地に忍び込むなんてとても危ないよ!
シロちゃん曰く、余裕で忍び込めたそうです。
そして、この大量の武器を前にしてハーデスさんがみんなに伝えました。
「もしかしたら、帝国側がやぶれかぶれで突っ込んでくる可能性がある。明日朝は、警戒するように」
「「「おおー!」」」
ということで、明日朝は厳重警戒する事になりました。
ちなみに、武器は一旦シロちゃんのアイテムボックスにしまうことになりました。
いずれにせよ、近い内にぶつかるのは間違いないし、斥候も上手くいっていないから帝国側もイライラしているはずだそうです。
ということで、僕も直ぐに寝ることになりました。
帝国側が落ち着いてくれれば良いなと思って、ベッドに潜り込みました。
「敵が陣形を固めているぞ!」
しかし、残念ながら帝国側は落ち着くことはありませんでした。
翌朝、兵の大きな声が建物中に響き渡りました。
既に早朝から動けるようにしていたので、先発隊が砦や陣地に向けて進軍を開始しました。
僕たちも、怪我をした兵を治療するために準備を整えます。
今回は兵もリベンジする気満々なので、とても士気が高かった。
でも、僕としては誰も怪我して欲しくないなとそう思いました。
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