第六百十話 ちょっとだけ悔しい就寝

 その後は、部隊の訓練の見学をしたりちょっと回復した魔力で治療をしたりしました。

 うん、スキンヘッドの人の水虫の治療の影響が大きいよ。

 魔力が残り少なくて、僕だけでなくみんなヘロヘロです。

 部隊も巡回とかをしていて、実は訓練に参加している兵は少なめです。

 森の騒乱は収まったけど、やっぱり巡回するのがとても大切だそうです。

 あと、このタイミングで悪い人が町の中に入ってくる可能性もあるから、十分に気をつけないといけないですね。

 ということで、今日は早めに休むことになりました。


「じゃあ、明日また迎えに行くね」

「一日教会での奉仕活動になるわ。レオ君たちは無料治療ね」

「レオ君が治療してくれると知ったら、町の人もきっと喜ぶわ」


 セレンお姉さんたちに代官邸に送ってもらい、僕たちは屋敷の中に入りましたを

 部屋に着いたら、生活魔法で僕の服とみんなを綺麗にしてっと。


 シュイン、もこもこもこ。


「あ、あの、私まで生活魔法で綺麗になっております……」


 あっ、ジェシカさんだけでなく案内してくれた使用人も綺麗にしちゃったよ。

 眠くて、魔力の制御を間違えちゃった。

 でも、汚れているより全然いいよね。

 そして、パパっと夕食を食べてお風呂に入っちゃいます。


「はふー」

「ワフー」

「キュー」


 僕だけでなく、治療していた面々はお湯が気持ちよくて思わず声が出ちゃいました。

 温かいお湯が体の芯まで染み渡ります……


「ぐぅ……」


 パシパシ、パシパシ。


「レオ様、レオ様、寝ておりますよ」


 はっ、いけないいけない。

 お湯が気持ちよくて、寝ちゃうところだったよ。

 ジェシカさん、肩を叩いてくれたのはナイス判断です。

 急いでお湯から出て、寝間着に着替えます。

 うん、今日は色々と限界です。

 ベッドにみんなで潜り込みました。


「うーん、水虫を治せなかったなあ。ちょっと悔しいなあ……」

「アオン……」


 以前にも治療できない病気はあったけど、水虫は治せると思ったんだよね。

 僕がまだまだへたっぴな魔法使いだと、改めて思い知らされました。

 これからも、もっともっと頑張ってもっと凄い魔法使いにならないとね。


「「「すー、すー」」」


 そして、シロちゃんたちはあっという間に眠っちゃいました。

 僕も眠くて、目を瞑ると直ぐに寝ちゃいました。

 明日は、町の人のために一生懸命頑張らないとね。

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