第三百二十九話 お屋敷にご招待されました

 荒海一家も無事に壊滅でき、アジトもオリガさんが潰しました。

 残党もほぼ捕まえたというので、街の人もとても表情が明るくなりました。


「領主として、レオ君には本当に感謝している。シークレア子爵領に住む者を代表して、改めてお礼を言う」

「レオ君という大きな存在がいる事で、街の人もやる気になりましたわ。私達だけでは、こんなに早く対応はできませんでしょう」


 ナディアさんと休日の買い物をして宿に帰ると、セルゲイさんとアンジェラさんが僕を屋敷に招待したいと使者がやってきました。

 昼食を兼ねてとの事だったので、そのままお出迎えの場所に乗りました。

 そして、お屋敷に着くと直ぐに食堂に案内されました。


「僕だけの力じゃないですよ。特に宿でお世話になっている人達に、とっても助けられました」

「ふふ、そうね。オリガさんには、特に助けられたわ。でも、やはり街の人の気持ちを動かしたのはレオ君だと私は思いますわよ」


 セルゲイさんとアンジェラさんだけでなく、イレーネさんも僕の力は大きいと言ってきました。

 でも、やっぱりザンギエフさん達とオリガさんの力は大きいなって思います。

 因みに、僕の目の前にあるのはシーフードドリアです。

 僕はドリアも大好きだし、魚介類が沢山入っていてとっても美味しいです。


「改めて、事件解決の功績があった者には報奨を授ける予定だ。もちろん、レオ君にも出す予定だけど、申し訳ないが表彰はしない予定だ」

「その方が、僕としても助かります。やっぱり、何かと表彰されるのは大変です」

「ははは、レオ君は既に多くの勲章を持っているし、表彰の大変さは身にしみているね」


 沢山の人が集まって表彰をされて、今度は沢山の挨拶を受ける。

 うん、表彰は当分はこりごりです。

 セルゲイさんの気遣いが、とってもありがたいです。


「そういえば、街の人がレオ君だけでなくシロちゃんも凄いスライムだと評価していたわ。重症者もササッと治療して、何事もなかったかの様に次の人の治療をしたと言っていたわね」


 今度は、アンジェラさんがシロちゃんの事を褒めてくれました。

 シロちゃんは触手を器用に使いながらシーフードドリアを食べていたけど、急に話を振られて触手で自分の事を指していました。


「ふふ、そういえば教会の人がとっても驚いていたわね。絶望的な怪我や病気をした人を、レオ君とシロちゃんがあっという間に治しちゃったって。しかも、造船所の職人もさも普通だと言っていたわね」

「造船所の職人さんの怪我も、僕とシロちゃんで治療していましたから。それに、この前は腕を再生する様な大怪我の人はいませんでしたし」

「どんな怪我の人でも、老弱男女問わず対応するのがレオ君とシロちゃんの凄さね」


 僕とシロちゃんなりに、そこそこの怪我人は治療してきたもんね。

 僕とシロちゃんで治療できる人なら、どんな人でも治療したいです。

 でも、未だに水虫だけは治せる自信がないんだよね。


「レオ君、別件で話がある。ワイアット海軍司令官もお礼を言いたいと言っていた。明日夜、改めて屋敷に来てくれ」

「分かりました。お仕事が終わったら、お屋敷に来ます」

「わざわざ来てもらって悪いね。ああ、服装は特に気にしなくても良い」


 ワイアットさんも、荒海一家に悩まされていた一人だもんね。

 あと、服装は気を使ってくれたけどキチンとした物を着ていこう。

 せっかくワイアットさんに会うんだもんね。


「さて、この後時間があったら母上とアンジェラのお喋りに付き合って欲しい。レオ君の色々な武勇伝を聞きたいらしいよ」

「僕の話だったら、全然大丈夫ですよ」

「ふふ、悪いわね。やっぱり黒髪の天使様の噂ではなくて、ちゃんとしたお話が聞きたいのよ」


 イレーネさんが目を輝かせて話をしてきたけど、どちらかというとアンジェラさんよりもイレーネさんの方が僕の話を聞きたいようですね。

 こうして昼食が終わって、応接室に移動してアンジェラさんとイレーネさんとお喋りをしました。

 二人とも、僕の何気ない話を聞いてとっても喜んでくれました。

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