第五百七十話 みんなでお茶会です
昼食後は、ヒルダさんたちと応接室でお茶をすることに。
因みに、クリスちゃんとマヤちゃんははしゃぎすぎてユキちゃんと一緒に疲れてお昼寝中です。
朝早く起きて僕のことを待っていたので、こればっかりは仕方ないですね。
「それだけ、レオ君に早く会いたいと思っていたのよ。レオ君の王都帰還が決まった時も、二人はとっても喜んでいたわ」
モニカさんが紅茶を飲みながら教えてくれたけど、確かに王城前で僕に抱きついてきた二人を見るとそう思うよね。
僕も、二人だけでなく多くの人に会えてとても嬉しかったです。
そして、その後は国境の軍の施設での話になりました。
「普通に住む分だったら、何にも問題なかったですよ。お風呂にも入れたし料理もとても美味しいし、戦闘が起きてなければとても安全でした。確かに、戦闘中の治療や夜襲で連日起きた時は大変だったですけど」
「国境から帰ってきた軍の幹部に話を聞いたけど、レオ君はとっても頑張っていたって評価をしていたわ。王国兵は殆ど死者が出なかったらしいけど、それもレオ君とシロちゃんが夜襲を察知したり偵察して情報を集めたおかげだって言っていたわ」
ヒルダさんは、シロちゃんとピーちゃんが偵察をしていたのを知っていたみたいです。
戦場で正しい情報を得ることは、まさに生命を守ることに繋がるそうです。
だからこそ、僕たちが集めた情報が高く評価されたそうです。
「一年にわたって何回も激しい戦闘が行われたのに、殆どの兵が元気に帰ってきたのは奇跡に近いことなのよ。兵の士気もとても高かったって聞いたし、レオ君の存在がとても大きかったって言っていたわ」
「僕の方が、兵の皆さんに可愛がってもらいました。中には仲良くなった人が死んじゃってとても悲しかった時もあったけど、こうして多くの人と王都に帰ることが出来てとても嬉しかったです」
「そういうレオ君の気持ちがあったからこそなのね。とても素晴らしいと思うわ」
ヒルダさんもニコリとしながら僕を褒めてくれたけど、僕よりもみんなの方が頑張っていたもんね。
だから、僕の方が頑張ろうって思ったんだよね。
今度は、王都の様子を教えて貰いました。
「レオ君がとっても活躍したって、教会を中心に言われていたわ。私たちは正しい情報を持っていたけど、殆ど違わない内容が言われていたわ。『黒髪の天使様が戦場に向かって、あっという間に怪我人を治療した』とか、『黒髪の天使様がいるだけで、兵の士気が上がった』なんかは特に言われていたわ。実際に行われたことの方がもっと凄いってことだったのね」
ターニャさんが色々教えてくれたけど、元々僕の噂が広く広まっているのもあってあっという間に人々に伝わったそうです。
特に、僕が傷ついている兵を助けたいと言ったことが一番感動的なことだと言われていました。
今思うと、かなり慌てていた気もするけどね。
「私たちも、知り合いの貴族令嬢から色々話を聞かれたわ。レオ君に直接関わっているから、何か情報を知っているんじゃないかって思っていたのよ」
「僕も、知り合いから何か知っているって聞かれたよ。みんな、レオ君に興味津々だったよ」
ウィンディさんもアレックスさんも、ちょっと苦笑しながら話をしていました。
この分だと、結構大変だったんだね。
そして、明日の夜会に話が変わりました。
「明日は、フランソワーズ公爵家の面々もみんな夜会に参加するわ。今回の戦闘に参加したものの家族も夜会に行くことになっているのよ」
「そして、明日はレオ君の八歳の誕生日ね。だから、一緒にお祝いすることになっているのよ」
あっ、そうか。
モニカさんとターニャさんが教えてくれたけど、明日は僕の誕生日だったよ。
でも、何だかとんでもないことになりそうでちょっと怖いなあ。
夜会自体は夕方だから、午前中は別のことをするそうです。
「明日の午前中は、教会に行ってご挨拶してきましょう。午後は夜会に行く服を合わせましょう」
「きっと教皇猊下も、レオ君に会いたがっているわ」
こうして、モニカさんとターニャさんの言った内容で明日の日程が決まりました。
僕が夜会に着ていく服は決まっているけど、クリスちゃんたちもきちんとした服を着ないと駄目だもんね。
そしてヒルダさんがニコニコしながら話を聞いていたので、間違いなく教会に一緒に来そうです。
そのうちお昼寝から起きたクリスちゃんたちも合流して、とっても楽しい話し合いが進んでいきました。
そして、シロちゃんとピーちゃんが屋敷に帰ってきたのは夕方だそうです。
とってもいい成果をあげられたと、とてもご機嫌でした。
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