第三百五十一話 教会での治療にもついてきました
翌日は教会での治療だったけど、ここにもライサさんがついてきました。
セルゲイさんはお仕事でライサさんの護衛には守備隊の人もいるけど、ザンギエフさんもいるし何かあっても大丈夫です。
今までの治療でも何かが起きている訳でもないし、僕もシロちゃんも普通に治療を進めます。
ぴかー。
「はい、どうですか?」
「おお、腰が痛いのが良くなった。流石はレオだな」
別の造船場で働くおじさんも、重いものを持ち上げたりするから腰が痛くなっちゃうんだって。
この街の人は、総じて腰が良くない気がするなあ。
そんな事を思いながら、どんどん治療を進めて行きます。
「レオ君とシロちゃんは、本当に治療の手際が良いですわ。症状に併せて、魔法を使い分けているんですね」
「最近ようやく毒消しの魔法も覚えたので、色々と使い分けていますよ」
「黒髪の天使様も、常日頃から訓練をしているのですわね。私も、色々な勉強を頑張らないといけないですわ」
ライサさんはふんすって可愛らしく気合を入れていたけど、僕としてはライサさんが僕の治癒魔法を見分けていたのが凄いなって思ったんだよね。
やっぱり貴族のご令嬢って、観察力が凄いんだ。
「しかし、こんなにめんこいお嬢様がくるなんて。領主様は幸せ者だねえ」
「ふふふ、ありがとうございます。そうやって言ってくれると、私もとても嬉しいですわ」
そして、ライサさんは治療に来たおばあさんと和やかに話をしていました。
シークレア子爵領の領民とも、直ぐに仲良くなっていますね。
「ライサさんは、厳つい顔の職人さんとも全然平気で話をしますね」
「実は私の父は軍人で、昔から軍人と接する機会が多かったんです。職人さんはとても良い方ですし、私は容姿とかは特に気にしませんわ」
あー、確かに軍人さんとかも顔が厳つい人が多い気がするよ。
この場にいる人は、ライサさんの発言にうんうんと頷いていました。
「厳つい顔でいえば、ザンギエフなんか凄いな」
「でもザンギエフにも相手がいるし、結局は顔が怖いだけじゃないんだよなあ」
「おい、おっちゃんら、一言多いぞ」
街のおじさんがザンギエフさんを誂っているけど、ダリアさん達と良い感じなんだって。
ダリアさん達も最初からザンギエフさん達の事を普通に見ていたし、僕は全然大丈夫じゃないかなって思っていたよ。
こんな感じで、午前中の治療は終わりです。
また、昼食をオリガさんが持ってきました。
しかも、沢山のサンドイッチですね。
「ライサ様、息子とレオ君がお世話になっております。宿の女将のオリガと申します」
「ライサと申します。セルゲイ様から、とても凄い女性と聞いております」
「まあまあ、私なんてただの母親ですわ」
オリガさんは、最初からライサさんの分のサンドイッチを用意していたんだ。
ライサさんとにこやかに挨拶をしているし、やっぱりオリガさんは凄いんだね。
「しかし、オリガさんは本当にお若いですわね。何か秘訣はございますか?」
「ライサ様、それはもちろん旦那様からの愛ですわ」
「旦那様からの愛、ですか。中々深いお言葉ですわ」
そして、いつの間にかオリガさんとライサさんのガールズトークが始まりました。
ライサさんは、ザンギエフさんみたいな大きな子を持つオリガさんが若々しいのに興味津々みたいですね。
「ライサ様、セルゲイ様はとてもお優しいですからライサ様の事をいっぱい愛して下さいますわ」
「そうですわね。セルゲイ様は、本当に優しい方ですわ。アンジェラ様もイレーナ様も、とても優しくて私の事を気を遣ってくれますわ」
「そうだよ。ライザ様は本当にべっぴんさんなんだから、セルゲイ様もライザ様を放っておかないわよ」
「そうそう、こんな可愛いお嫁さんなんだからね」
オリガさんとライザさんのガールズトークは止まらず、結局昼食中ずっと喋っていました。
そして、街のおばちゃんやおばあちゃんも加わって話に花が咲いていました。
でも、街の人とこうして仲良くなるのはとても良いことだね。
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