第130話 メイユへの護衛2

メイユへの商隊の自己紹介の続きで、“選ばれた盟友”の6人についてもシミリートが紹介をする。シャドウとフェザーの2人の武器も、それぞれ山刀と短剣(ダガー)、短弓(ショートボウ)と短剣(ダガー)であることを身振りで案内された。


それぞれ役割を相談する段になって、シャドウがシミリートに任せると言って来たので、結局はアディーレとシミリートの相談となった。

結果、先に行くディッキーの馬車4台をアディーレ達6人が担当し、後からのベンヤミンの馬車4台をシミリート達6人が担当することになり、シャドウ達は乗馬で遊軍に。

ヘンドリクとアディーレの2人が騎乗して、残り4人が馬車4台に分散。“選ばれた盟友”でもシミリートとジーモントが騎乗し、残り4人が馬車4台に分散することになった。


いよいよ出発しても、しばらくはのどかな草原が続き、近くには角兎(ホーンラビット)程度しか見えない。

シャドウの従魔である鷹のフィアが暇を持て余してか、ときどきホーンラビットを狩って来て、騎乗の兄妹に渡している。二人乗りの馬にそれほどスペースは無いため、シャドウがなぜかシミリートに渡しに来て、シミリートはベンヤミンの馬車に載せさせて貰うように渡しに行く。どうも丁寧な世話を焼いたことにより2人に心を開かれたのであろうか。


そして何事も起こらないまま昼休憩の時間となる。

「午後からは魔の森が近くなるから、ここからは気合を入れて行くよ。みんなしっかり休んでおくんだよ!」

完全に姉御肌のアディーレがその場を仕切る。

「へぇ、良い心がけだね。率先して馬の水やりやかまどの用意など。おい、ヘドやその取り巻き達よ、ちゃんと見習うんだな」

所詮はまだ3回目の護衛依頼であり、少しでもできることは、という行動の“選ばれた盟友”の動きは、アディーレのお気に召したようである。一方、休憩になった途端に草はらに転がって休憩していたヘンドリク達は姉に叱られている。

「そんなことは下っ端がやれば良いんだよ」

「ほぉ、こちらのパーティーは銅級の2人も率先して動いているようだが、お前達は何級だったかなぁ?」

「分かったよ。やれば良いんだろう、やれば」

とは言うものの手際も悪く、出来あがったかまども歪な形であり何度もアディーレにダメ出しをされていた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る