第438話 コルバック再び3

「お前、ヘンドリクだったか」

「そうだ。シミリート、お前も相変わらずのようだな」

 以前にコルバックからメイユへの護衛依頼の時に一緒になった冒険者たち。

 “御手の大剣”リーダーのヘンドリクとその取り巻きのエナンド、イルヤ、バーレット。そしてヘンドリクの姉であるアディーレと、ヘンドリクの彼女のウナの6人と一緒に護衛をしていた。

 その“御手の大剣”の4人がシミリートたちを取り囲んでこの横道に連れて来たのである。


「で、わざわざここに連れ出して来たのはどういうことだ?」

「お前なぁ。この街だってストローデ領だぞ。独立に関してはピリピリしているのに」

「そういえば、お前の彼女ウナの親が、コルバックの顔役って話だったな。この街は独立に関してどういうスタンスなんだ?」

「いきなりかよ。少し落ち着け。こんな街中で立ち話もなんだ。まぁ俺たちについて来い。悪いようにはしないから」


 コルバックを散策している時にヘンドリクたちからナンパされていたカミラとゾフィは怪しむ目線を送る。

「もう勘弁してくれよ。大丈夫だって」

 こっそり女性陣2人に話しかけてくるヘンドリクたち。


 と言いつつ連れて来られたのは酒場である。

「まぁ入ってくれ」

 警戒しながら中に入ると、昼間というのに何人か客は居て、カウンターの中ではウナが接客を、そのカウンターの客席側にアディーレが座っているようである。

「ウナ、お客を4人連れて来たぞ」

「こら、ヘンドリク。俺たちは酒を飲みに来たんじゃないぞ」


「あら、あんたたち!」

 アディーレが立ち上がり近づいてくる。

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