第306話 ステフェンでの軍議
ステフェンの代官、守備隊の主だった者たち、その他幹部と、フェルバー中尉、ニキアス副官を交えた軍議が開かれている。
その他の魔術師団員と“選ばれた盟友”の6人は、代官館の一室で待機している。
「待たせたな」
「いかがなりましたか?」
「大体は想定通りだったんだが……」
フェルバー率いる小隊のうち騎乗できた8人程度の魔術師団員だけでは、ステフェンの守備隊を含めても、フィノイスの包囲をしているビザリア神聖王国の軍を追い払うことはできないことは皆が理解している。
そのため、王都からの増援部隊を待つしかない。万が一フィノイスの街が陥落した際にはこのステフェンの街が最前線になるため、そのための準備をするしかないと思われていた。
また、この街の冒険者達に、フィノイスの周辺の村々の状況を探らせる依頼を発出することも、言われると納得であった。
しかし、その後が想定外であった。
「まだ神聖王国に攻められていない村には防御を強化、もし攻められていた村では敵兵がいないならば傷ついた村人の治療、少数の敵兵の場合はその殲滅を求められたのだ」
「確かに、10人規模の魔法使いが居るということは色々なことができるとの期待もわかるのだが……」
「今いらっしゃる中で、≪土壁≫≪石壁≫などを発動できる方は何人いらっしゃるのでしょうか。また回復魔法を習得された方は?」
「シミ!」
「いや、大丈夫です。この場では遠慮など無用なものです。正直にいうと、土属性は火属性などに比べると人気がなくて低優先になるため、2〜3人。回復魔法は初級までが別途2人だけですね。で、つまり彼女はどちらも期待して良いのですよね」
フェルバーの目線がユリアンネを捉えている。
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