第493話 踏み込み3
「では、ユリアンネさん。これが麻薬であると証明できますね?」
「はい、鑑定魔法でも確認できています」
拠点内の騒動が落ち着いた後に、ユリアンネは衛兵の1人に付き添われて、麻薬工房の確認をしている。
「慌ただしくてすみませんが、続いて彼女たちをお願いします」
「もちろんです」「かわいそうに……」
男物の上着を羽織らされた女性3人の前にしゃがむ。そして中級の解毒ポーションを飲ませた上で、≪軽病治療≫と≪回復≫魔法を発動する。
「あ、私……あぁ!」
体調が戻り現実に気づいた女性たちが嘆くのを見て、背中に手を当てるユリアンネだが、
「申し訳ありません。次をお願いします!」
と衛兵に言われてしまう。
後ろ髪を引かれるが、次も大事である。
「ここには奴隷商人も連れてきています。敵と味方、どちらの怪我も預かっているポーションで回復させていますので、この場所はお任せください」
衛兵に先を急がれ、合流してきたシミリートにも頷かれて肉屋の外に出る。
事前に連れて来ている戦馬(バトルホース)、愛馬のゼラにまたがり次に向かう。
「ユリ、大変だが、もう一つだ」
「分かっているわ。一気にやって、逃がさないようにしないと」
マンファンたち衛兵団も、肉屋には一部だけを残して騎乗で移動を開始済みのはずである。
「シミリートさん、ユリアンネさん。お待ちしていました」
港に近い倉庫ばかりが並ぶ地区で、到着した場所にいたのは王国魔術師団のニキアスである。
「うちの団員たちはすでにあの中に潜入済みです」
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