第358話 フスハレへの道中3

 オークの襲撃があった翌朝、早速オーク肉を使った朝食を食べているときに、副官ニキアスからの言葉がある。

「みんな、昨夜はオーク対応、お疲れ様でした。フスハレの街が近づくということは、モンヴァルト山脈が近づくことでもあり、魔物は増えるのでしょう。油断せず気を引き締めて行きましょう」

「騎士団達が先行していたはずですよね?」

「彼らが通過後に北方の魔の森から溢れてきたのか、まぁ原因はわからないな」

「我々が詠唱する時間を作ってくれる前衛が居ないと厳しいですね」

「そこは引き続き“選ばれた盟友”の皆さんにお願いしつつ、我々も訓練と思って成長の機会にしましょう」


 王都に向かう逆方向だった時も、メイユの街に着く前にはオーク達と遭遇したことを思い出すユリアンネたち。

「この様子だと、フスハレの街の向こう側はハイオーク達が居そうね」

「騎士団もハイオークを全滅させずにある程度は残しておいてくれた方が、うまい肉が食べられるな」

「ま、100人程度ならばそうなるんじゃないか。メイユから出た時の冒険者の数でも殲滅はできなかったよな」

「でも、フスハレには山脈の魔物を倒すために冒険者達が集まっているはずよね」

「それでも解決していないぐらい魔物が次々と、なんだろうし。ま、行ってみるしかないよな」

 トリアンでの両親達の様子がわからないので、そちらへの話題にならないように、目の前の魔物退治の話題を続ける仲間達。ユリアンネ自身もストローデ領に近づくのに情報が無いことから不安だけが膨らむが、お互いにそのことは口にしていない。



 フスハレの街に到着するまでに、さらに2回オークとの戦闘とはなったが、治療できる程度の怪我で済んでいた。

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