第379話 ドレイクの集団2
カミラが怪我をしたのがきっかけでも無いが、ヨルクたちだけでなく魔術師団員たちも怪我人が増えて行く。
それなのに、魔術師団員たちの支援が入ったからか、騎士団員たちが変なやる気を出してしまう。
「魔術師団などに負けてはならぬぞ!」
魔術師団たちが来た西側に少しでも逃げれば良いものを、全方位に攻撃の手を広げて行く。ドレイクのブレスで馬がやられ、落馬した団員はそのまま自身もブレスを浴びて悲鳴を上げるが、仲間の団員は近くにいない。
「何だと!いつも魔法の力をバカにしやがって!」
魔術師団員たちもムキになり、防御よりも攻撃に注力し始めてしまうので、ますます怪我人が増えて行く。さらに、すでに自身の魔力をかなり消耗しているのに強い攻撃魔法を連続して発動させていく。
「みんな、落ち着いて!」
ニキアスが声を上げても皆の耳には入らない。
そのような100人以上の戦闘の騒音が怒りをかったのか、上空の方から2体の飛龍(ワイバーン)が降りてくる。そのまま人数が多く集まっている騎士団の方に、上空から炎ブレスを吐く。
「ワイバーンだ!助けてくれ!」
「逃げるな!準備しているだろう!弓矢を取り出せ!」
魔法の袋に収納していたのか、弓矢を取り出して上空のワイバーンに矢を射る騎士団員も何人かいる。金に物を言わせたのか、おそらく魔法の弓矢と思われるようなワイバーンにダメージを与えられる矢を射るものもいる。しかし、自由に飛び回るワイバーンに当てることは容易ではない。また射るために馬の足を止めていると、ドレイクの攻撃を受けてしまう。
「ダメです、このままでは全滅です!」
「クソ!撤退する!西側に戻るのだ!」
騎士団の一部が西に移動しはじめると、それに気づいた魔術師団員たちもようやく我にかえり現状を認識する。
そこからは軍隊行動というよりは逆にパニック状態であり、我先に西へ西へ逃げ惑うだけの集団となってしまう。
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