第349話 王都との別れ
いよいよ迷宮都市トリアンのあるストローデ領に向けて出発する方法が決定した。
王国魔術師団員達と一緒に東に向かうが、臨時隊員ではなく冒険者としての護衛任務であり、冒険者ギルドを通して護衛契約を行う。
「そうですか、戻って来られない可能性もあるのですか」
「はい、少なくともすぐには戻れないと思います」
「地下水路の依頼を受けてくださる信頼できるパーティーはありがたいので、よろしければまた王都にお戻りください」
王都の冒険者ギルドには何かとお世話になったのでシミリート以下、職員にお礼として頭を下げる。
クロリスをはじめとする知人達に最後の挨拶を行い、借家をきれいに片付けてから、東に向けて出発する。
「いよいよ王都とお別れね」
「まぁ色々が片付いたら戻って来ても良いんじゃない?」
「そんなこと言って。工芸屋長女のカミラは難しいんじゃないの?次女の私や次男のヨルクならまだしも、宿屋長男のジモも」
「王都も思ったより長く居たしね。もう“蒼海の眼”の残党の話も落ち着いたならね」
「みんな、長いことごめんね」
「あら、ユリのおかげでトリアンを出て色々と経験できたと思っているのよ。王都で色々と学べたわよね。店舗経営は失敗だったけれど、それも良い経験だったし」
「みんな……」
「それよりも、独立宣言って方が心配よね。早く向こうで起こっていることを知りたいから、魔術師団員と一緒に行動するのは結果的に良かったんじゃないかな」
名残を惜しみながら、各自の馬に乗って城壁の外の待ち合わせ場所に移動する7人。
「お、雇用主達が来たようだな。挨拶しにいかないとな」
シミリートが残り6人を連れて十数人の騎馬集団の近くに移動する。
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