第558話 秘密基地への来客

「なんだと!シャイデン男爵を死体で発見した?」

「は、トリアンから北方で野営中に死亡したようで。ただ仲間割れだったのでは無いかとの、現地の報告です」

「悪党の最後ということか。では、残るはインガルズただ1人。子供のような身長の男だ。絶対にビザリア神聖王国に逃すなよ!」

「はは!」



 ルオルゾン領主達の陣営の話はまだ伝わっていない“選ばれた盟友”の“秘密基地”。

「こちらに来ちゃいました!」

 やって来たのは、シャドウとフェザーの兄妹である。戦馬(バトルホース)のホーに二人乗りである。

「フェザー!来ちゃダメって言っていたのに」

「ジモからそろそろ良いかもって聞いたので」


「いや、うちの宿に泊まっていた王国魔術師団員達も領主館に移動したし、この基地に居たとある嫡男さん達も居なくなったからさぁ」

 言い訳をするジーモントを皆が見るが、確かにもうそろそろ独立騒動にも目処がつきそうである。

「確かに」


「じゃあ、そろそろ港の出航制限も解除されるかな」

「シミは状況を知らないの?」

「いや。でもまた聞いておくよ」


「で、何か荷物をいっぱい持っているけれど、もしかして宿からこっちに移動してくるってこと?」

「もうすぐ帰国になると思ったら、一緒に旅をした皆さんとの時間を少しでも」

 フェザーの言葉にグッと来る仲間達。

「そりゃ、部屋も空いたことだし、大歓迎よ!」

「よし、腕によりをかけて美味しいご飯を作るぞ!」

「ジモのお父さんのご飯も美味しかったですよ」

「何!じゃあなおさらだ」

 フェザーのからかいにわざと乗っかるジーモント。

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