第431話 メイユの様子2

 メイユの冒険者ギルドで様子見に来たシミリートが受付担当者に、かなり直球で質問をしている。

「あなた方もトリアンから避難された方々?でもハイオークを……いえ、はい。ここメイユはほぼ影響は無いですね。どちらかというとトリアンから来られた方々が、最近増えた魔物を退治してくださって何とかなっている感じですか。ですから冒険者の人数が以前よりも多いくらいですね」

「じゃあ、明るいうちに宿屋を探さないとまずいかな」

「そうですね。はい、お待たせしました。こちらが報酬になります。背景は存じませんが、引き続き魔物の間引きにご協力いただけますと助かります」


 シミリートは自分たち7人分だけの宿を確保した上で、街の外で待機しているニキアスたちのところに戻る。

「シミリートさん、ご無事で良かったです」

「まぁ冒険者証がありますので、我々は問題なかったですよ」

 ニキアスたちに、特に内戦のような話はなく、冒険者たちがトリアンからこの街に移って来ている情報を報告する。


「そうは言っても、私たち十数人の王国魔術師団員がその身分のままで街に入ると危険ですね」

「そうだと思いますよ。冒険者の証明書をお持ちの方もいらっしゃいますよね?」

「はい。ですが、全員ではありませんので。仕方ないですね……」

 結局、魔術師団員の身分証しか所持していない者を中心に、街から離れたところで野営をする班と、冒険者証を持っていて街中の様子を自分たちでも確認する班に分かれるという。後者の班は主に平民の団員であった。


 ニキアスは平民なので街中に入る班であり、シミリートたちと同じ宿屋に部屋を確保する。

「皆さんへの依頼はストローデ領に入るところまで、とのお約束でしたが、この状況だともう少しお付き合いいただけないでしょうか?」

 ニキアスからの打診に対して、シミリートは翌朝まで回答を保留させて貰う。

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