ストローデ領

第430話 メイユの様子

 モンヴァルト山脈の一番の難所を越えた一行は、下りでもハイオークファイターなどの上位ハイオークや通常ハイオークたちも倒しながら、麓の森も越えてメイユの街にたどり着く。

 山の斜面、森、それぞれで魔物を相手に戦っている冒険者たちを見かけるが、邪魔にならないように遠目に進んで来た。


「いよいよメイユですね。シミリートさん、お願いしますね」

「はいはい、王国魔術師団の皆さんが街に入っても大丈夫そうかを確認すれば良いんですよね」

 ニキアスの意図に返事をするシミリートだが、彼だけでは不安だと、カミラとゾフィがジーモントも連れて4人で街に入っていく。

「最近シミも頼りになっていると思うんだが」

「ヨルク、そう思わせて意外な抜けをするかもしれないのがシミだったでしょ。まぁ多分大丈夫だけど、街中の様子が分からないから、見た目に目立つ私たち3人以外で様子見に行ったんでしょうけど」



「で、シミはどこに行くつもりなの?」

 冒険者証を見せてすんなり街中に入れた4人。カミラがシミリートに確認する。

「そりゃ衛兵の詰所、ではなくて冒険者ギルドだろう?」

「あら意外と普通ね」

「目立たないように、まずは倒して来たハイオークを納品する際に雑談するぞ」


 言葉の通りメイユの冒険者ギルドでハイオークの討伐証明や素材の納品を行うシミリートたち。昼間だったのでギルドも空いている。

「あら銀級ですか?あまり見ない顔ですね」

「あぁ、しばらく籠って狩りをしていたからな」

「銀級の方がたくさん狩っていただけると助かります」

「ところで、最近どうなんだ?」

「どう、とは?」

「きな臭い噂があったじゃないか。独立とか」

「!」

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