第15話 冒険者登録
ラルフが調剤のおさらいを娘2人に見せた翌日、3人はダンジョンの入口に来ている。
「ユリはあの日以来だが、怖くは無いか?」
「お父さん、ありがとう。でも大丈夫です」
「薬草などの素材採取は冒険者など他人に依頼する方法も、購入してくる方法もある。だが、新鮮で高品質な素材の採取について自分が知る方が、依頼の際にも具体的になるし、細かい注意事項なども伝えることができる」
「「はい」」
このトリアンダンジョンは、出入り口が大きく3つに分かれている。1つはダンジョンへの通常の入口、1つはダンジョンからの出口、もう1つは初挑戦の者への受付になっている。
その初回受付よりも先に冒険者登録を行うことが必須になっている。
冒険者とは、魔物討伐、素材採取、護衛、配達等の各種依頼(クエスト)をこなす職業であるが、別の職業があって兼業している者もいる。特にこのトリアンではダンジョンに入るのに冒険者登録を必須としているため兼業も多い。
冒険者登録とは、冒険者ギルドへの登録のことであり、ギルドは田舎などを除いたほぼすべての街に拠点があり、国を超えた存在であり誰でも登録ができる。ただ、一定期間に貢献が無いと登録が抹消されるのだが、それは生存確認を兼ねていて死亡者をいつまでも登録しないためでもある。
魔物が存在するこの世界では、兵だけでは駆除や住民保護が追い付かないため、通常の働き先がない荒くれ者や流れ者でも世に貢献できる仕組みでもある。
前世の知識があるユリアンネは、戸籍制度が未整備な代わりの住民把握の手段でもあるのだと理解している。
魔物の強さ、脅威にはランク付けがされていて、E・D・C・B・A・Sと強くなる。それに合わせて、1対1で倒せるのと同等とされる冒険者の強さもE・D・C・B・A・Sと呼ぶ。または、それぞれに合わせた木・鉄・銅・銀・金・魔銀(ミスリル)の材質の身分証明書を渡されることから、例えば金級冒険者等とも呼ばれる。
以前にダンジョンに入るためだけに登録したアマルダとユリアンネは、もちろん戦闘力は無いので木製の証明書のEランク、木級冒険者である。
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