第386話 フスハレの冒険者ギルド
ワイバーンの素材は落ち着いたときに使い道を考えたいので、ドレイク2体とワイバーンを除いた、ハイオークや上位ハイオークの素材の納品などのために冒険者ギルドを訪れているシミリートたち。手続きが終わったところで声をかけられる。
「あんたら、魔術師団と一緒に居たよな?」
「え?あ、はい……」
「そうか、あんたらか。ありがとうな」
「何か勘違いでは?」
「いや、あの騎士団の奴らが荒らした狩場で魔物から助けて貰ったんだ。助かったよ」
「あ、そうだったんですか。ご無事で良かったです」
「一杯、奢らせてくれよ!」
女性が半分いるパーティーなので深酒はできないが、せっかくの誘いなので軽い飲食までは付き合う。ヨルクが日頃は食事量だけだが、飲酒量についてドワーフらしさを発揮して人気者になったこと、そして今回に広がってしまった気配の“薬姫”の二つ名で呼ばれるユリアンネがシミリートたちを盾に逃げていたのは余談である。
ある意味チヤホヤされて気分は良かったが、そこそこで切り上げて宿に戻った仲間たち。
「やはり騎士団はかなり嫌われているようだったな」
「まぁあんな強引なことをしたなら仕方ないわよね」
「そんなことより、ワイバーン素材って何に使う?私は牙と爪が欲しいのだけど」
「カミラはそうだろうけど。ユリは血だろう?調剤に心臓とかも使うのかな?」
「心臓や目玉もきっと使うものがあると思うけれど、そんな貴重品のレシピは知らないのよね。まずは血を使った使い魔かな」
「明後日が満月だろう?この北には魔の森もあるし、上手く夜にいけば良いんじゃない?」
「山脈の魔物への再挑戦はすぐに出発しないかな?」
「まぁさっき伝言があったように明日にはわかるよね」
「この街での滞在が長そうならば、ワイバーンかドレイクの鱗で防具の強化を発注しようか」
「できればワイバーンの解体も冒険者ギルドに頼まずに森かどこかでやりたいね」
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