第318話 村の奪還2
「では今回もおとなしく外で待機しておくのだな」
先ほどの村の治療が終わり、別の村の近くに到着した奪還隊。再び騎士団が騎乗のまま駆け込んで行く。
先ほどの見通しの良い村とは違い、隠れることが可能な程度の林があるので、シミリートたちは門から出たところのその林にて待機する。
剣がぶつかり合うような音や罵声などが聞こえて来くるが、先ほどより時間がかかっているようである。
「シミ、どうする?長いよな?」
「気にはなるよな。ただ、待機が命令だから、明確な理由が無く命令違反はできないよな」
「本職が衛兵だと、そういうことは気になるか」
ジーモントとの軽口にはまだ余裕があるシミリート。
しかし、もう少し待とうとすると、村の中で何度か炎が舞い上がる。
「あれって!」
「おい、騎士団の奴が手招きしているぞ!」
積極的に戦闘に参加したいわけでは無いが、味方が被害を受けていると思われる状況であり、門まで騎乗で近づくシミリートたち。
門からまっすぐ見える村の中心部で、味方の騎兵が炎に包まれるのが見える。
「≪火炎≫!敵に魔法使いか!?」
見慣れたユリアンネの≪火炎≫に比べると威力が弱そうではあるが、≪火球≫が飛んできたわけでもなく、ターゲットになった騎兵が突然燃え上がったので≪火炎≫と判断したシミリート。
「あそこだ!」
今回の被害者は≪火炎≫の1つ程度では戦闘不能にならず馬を操っている。すでに落馬した者もいるようだが、地上で敵兵と戦っているようである。
「ユリたちはこの辺りで。ジモ、2人で行くぞ!」
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